センテンス【sentence】
文
スプリング【spring】
春
かつて『週刊文春』が不倫騒動を報じて燃え上がらせた際にできた造語『センテンススプリング』。燃え上がりはしないにしろ、芸能人以外も体験しているのですよってお話しです。
最終更新H28/4/3
冷める夫婦仲
お互いに好きなことやって、自由にしてたら興味が無くなって、干渉しなくなって。床の中でも自然と距離ができて、やることはやらなくなります。 僕はネトゲ、妻は宴会に大忙しです。
こんな状況でしたけど「いつか子供ができて、幸せな家族になるんじゃない?」的な漠然とした根拠のない考えで地に足を付けない夫婦生活は継続します。惰性で継続、前に進んでいるように見えます。
妻の様子がおかしい
進化直前のポケモンだとか、そういった前向きな様子のおかしさではありませんでした。宴会に行くたびに帰りの時間が遅くなって、ついに午前様、さらに3時間オーバーで午前3時帰宅が当たり前になってきました。
多少は諫めましたが、お勤めされていたので、ストレスの解消にもなっているのだろうと半ば容認。
次に異変を感じたのは床です。徹底的な拒否でした。確かにアツアツではありませんが、妻の体調や気分次第ではそれなりな場合も少なからずあったのですが...綺麗じゃないものを扱うかの如き言動で拒否されます。
流石の鈍い僕も「これはおかしいな」と思い始めます。
ドラマの世界?
この日も3時過ぎに帰ってくる妻。何やら上機嫌です。寝ている場所は一緒でした。翌日も仕事なので、僕の寝ている布団の中に入ってきます。もちろん、距離感を保っております。
携帯電話を鼻歌交じりで見て、メールを送信しているようです。今日の宴会で一緒だった人に「楽しかったよ」でも送っているのでしょうか。ここで僕は、妻に大きく切り込みました。
「浮気してない?」
無言の妻。おやおや、『してないよ?』と平然と返答するものばかり考えていたのですが...これは事情が変わりました。「携帯電話を見せてくれる?」妻は無理だと言います。やましいことが無ければ見せられるでしょう、と問うても、見せられぬそうです。
困りましたねー、まさかと思っていた事態が現実のものになるまで、あと一歩です。「正直に答えて。浮気してる?」妻は無言で頷きます。浮気を認めました。
その時、僕の脳内では稲妻が落ちて世界の形が従来とは全く変わってしまったような感覚を強く受けました。「これはドラマの世界だろうか?」浮気だ不倫だなんていう話はどこか宙に浮いていて、自分には縁遠いものだと決めつけていましたし、まさか経験するなどとは思ってもみませんでしたからねー。
不貞の詳細
日が昇るまでに妻から聞いた事実や嘆願
- 宴会で職場の正社員に誘われる(妻子持ち)
- 誘いに乗って大人の城へ2~3回行った
- 彼に罪はない、連絡しないで
- 私が悪いの、お願い
- 彼を許してあげて
- 連絡だけは駄目、私はなんでも罰を受ける
とにかく彼をかばう姿が印象的でした。情にほだされ、ぼくも彼の家族に電話して雷を落とすことは止めました。怒りの感情はありましたが、妻に不貞をされたショックがそれを上回っていたので、正常な判断はできていなかったのだと思います。
本来であれば事実を突き止めて慰謝料をしっかりともらうべき場面なのでしょうけど、常識の欠落したお人よしだったのです。周囲にも散々言われました、『お人よしを越えた大馬鹿者だ』と。
さらに妻の言は続きます。
- あなたと私はそもそも合わない
- 私は彼と一緒になる
- 明日の朝いちでとりあえず出ていく
既婚の彼とどうやって一緒になるのだろうか、という当たり前の発想すら、その時には出ませんでした。ただただ悲しかった。宣言通り、妻は出ていきました。まだ生活用品は残っていたのですが、これは後日に取りに来るとのこと。
5日間はまともに食事が喉を通らず、悲しみに打ちひしがれておりました。
戻ってきた妻
丸5日経過後に家に戻ってきた妻はどこかしおらし気で申し訳なさそうでした。
以下妻の言
- 彼に今回のことを打ち明けた
- 君と一緒になるつもりはない、別れようといわれた
- 私はあなた(僕)のことは嫌いじゃない
- こんなつもりじゃなかった
- やりなおしたい
とのこと。要するに、遊ばれて捨てられたものと思われます。僕も単純ですから、とにかく戻ってきてくれたことが嬉しくて、妻に尽くす日々が続きました。相手にもっと興味を持って、いろいろな場所へ一緒に行こうと積極的に行動しました。
ですが、時すでに遅し、だったのでしょうか。どこへ行っても妻は面白くなさそうに見えます。「もう帰りたい」と何度言われたか覚えていません。完全に冷めたように見えます。そりゃそうですね、一度はほかの男性の元へ行ったわけですから、そう簡単に人の心は変わりません。
それでもいつかまた僕に振り向いてくれることを祈って、前向きに生活していたある日のことです。妻から聞いたある言葉で、僕の心は揺れます。
不貞は是とな
妻の言
- 結婚していても好きな人はできる
- その場合、運命からは逃れられない
- 私は男の人に声をかけられるタイプだから
- 放蕩な気質が自分にはあると思う
- 浮気や不倫は仕方ないと思う
- これからもしない、とは約束できない
- あなたを男として見れる日が来るかはわからない
ふむふむ、なるほど。肯定も理解もできないです。今となっては「こういう人もいる」くらいには思えますが、当時は「何を言っているのだろう?」と本気で思ったほどです。結婚するまでにそれなりのお付き合いはありましたが、こんな部分を打ち明けられたことはありません。もっと早く言ってほしかった、と感じましたね。
妻のことは好きでしたが、ここから徐々に僕の中で別の化学反応が進行し始めます。不貞を是とする女性と、同じ屋根の下で夫婦として暮らす不自然さというか、気持ちの悪さが形成されていったのです。
決定打
妻の言動です
- 仕事を止めることにした
- 私はあなたの稼ぎだけで主婦として暮らす
- あなたの稼ぎが悪くないことは知っている
- 料理は基本的にしない
- 掃除も苦手
- 友達といっぱい遊びたい
料理も掃除もできるほうがやれば良いのだと考えていますが、仕事を止めて僕の収入に依存し、家事全般をやらずに友達と遊ぶという発想が良くわかりません。もう完全に冷めてしまいまして、以下のことをお伝えしました。
「僕は君の親ではない。好きでもない人は養えないので、別れてください」
いわゆる三下り半というやつです。妻は「どうしてこんなことに...」って狼狽していました。自分では事の成り行きについていまいち把握していなかったご様子。何度説明しても理解できなかったようなので、説明はあきらめましたが。
センテンススプリングは僕の中だけで
別れ際は「仕事もやめて大変だろうに」ということで妻に100万円を持たせましたが、「返します」とのことで返却を受けます。これについては『逆に慰謝料だろ、君は本当にお人よし通り越して阿呆だね』と言われました。
彼女が行った不貞に対しては親戚一同で断罪するわけでも、相手の職場で燃え上がって大騒ぎになる『センテンススプリング』状態にはならなかったわけですけれども、間違いなく僕の中では『文春』クラスの出来事だったわけです。
不倫に対する相応な制裁は社会的に必要
当時の僕は元妻に対してそこまで社会的制裁を加えようとは考えませんでしたし、不貞も自分が招いたことの一部であると考えていたため具体的行動に至りませんでした。
ですが、今考えると、彼女にも、そして不貞の相手方にも、相応の社会的な制裁は必要でしたね。そうじゃなければ、これが当たり前のものとしてまかり通ってしまう。
婚姻契約を結んだ相手方がそれを大きく逸脱する行為を働き、それを幇助した相手とともに相応の罰を下す。感情論もあろうかと存じますが、冷静に考えてこのようなことは社会システム上は滞りなく実施すべきでしょう。
浮気不倫問題だけで飯が食える商売もあるくらいに需要のあるコンテンツ『不貞』そのいちプレイヤーとして色々と経験できたのは大きい財産です。ま、当時は悲惨な精神状態でしたけれどもw
誰かの不貞を耳にしても「えっ、そんなことってあるの!?」なんて狼狽することなく「へ~、そうなんだ」くらいにさもあって当然の如くふるまえるくらいのメンタルは醸成されていると自負しています。
みなさんの周りのそこかしこで、ありますよ、不貞。目に見えないから不貞なのです。目を凝らしたら、影くらいは視認できるかもしれません。でも、あまり関わらないほうが良いですよ。自分の家族を守るためには、見て見ぬ振りも大事かもしれませんね。
不貞を受けた人は、当たり前のように社会的制裁を下しましょう。不貞を行う人は、それなりの覚悟をもって臨みましょう。
ーー
以上、一部ぼかしの僕のノンフィクションです。
関連記事