神秘体感 極小の卵、同時展示 石川
ホルマリン漬けにされたダイオウイカの展示が始まった石川県立自然史資料館(金沢市銚子町)で、同じ個体から採取された卵が併せて公開されている。全長数メートルにもなる成体と比べ、卵は直径1〜2ミリと極めて小さく、世界最大の無脊椎(せきつい)動物の神秘が体感できそうだ。
展示されているダイオウイカは全長4・2メートルのメスで、1月17日に能登町の赤崎海岸に漂着していたのを散歩中の地元住民が発見し、連絡を受けた同館が引き取った。
同館で、ダイオウイカから内臓を取り除く処理作業を終えた翌日の同20日、担当者が作業場を清掃していたところ、床に無数の小さなつぶが散らばっているのを発見した。卵かもしれないと直感し、ダイオウイカ研究の第一人者として知られる国立科学博物館の窪寺恒己(つねみ)さんに写真を見せ、卵だと確認された。
同館では現在、保存してあった卵巣から採取した卵約50個をシャーレに入れ、拡大鏡で観察できるようにして展示している。
他にも、同じダイオウイカから取ったカラストンビ(口器)や墨袋もそれぞれ瓶に保存し、紹介している。
同館学芸員の嶋田敬介さんは「実物でないと分からない大きさと、卵の小ささのギャップを感じてほしい」と話す。ダイオウイカの成体標本は常設展示される予定。
入館無料。開館は午前9時〜午後5時。【竹田迅岐】