タイトルの通りですー!
告白をヒットさせてから、映画化&ドラマ化に引っ張りだこの湊かなえさん。でも、やっぱり彼女は作家さんです。映像化されていない作品でも、面白いものがたーーくさん、あるんです。
まだ文庫落ちしていないものも含めて、映像化されていないオススメ本を4つまとめました。
≪目次≫
絶唱
楽園、約束、太陽、絶唱の4編を収録。各短編がリンクしているかたちです。
湊さん独特の「毒」はあまり入っていないので、それを期待して読むと肩透かしをくらうかも。
ただ、この絶唱は、国際ボランティア隊として活動した湊かなえさんの体験記、ともいえます。
ストーリー自体は南太平洋の国トンガにて、阪神淡路大震災を経験した人々が描かれるフィクション。プラス、湊かなえさんの葛藤が、主人公の心理描写で表現された作品です。
宗教をめぐる死生観や、他人との意思疎通についての問いかけもあります。
わたしにとって、大きな議題を投げかけてくる本でした。
望郷
こちらの『望郷』も短編集です。
みかんの花、海の星、夢の国、雲の糸、石の十字架、光の航路の、全6編。その中の、海の星 は、日本推理作家協会賞の受賞作です。
突然届いた故郷からの便り。それによって、主人公は海辺の町での記憶をふりかえります。故郷の雄大な海と、失踪した父。海の星と呼ばれる不思議な現象。それを見るきっかけとなった おっさん と、その娘。近いような近くないような、海で囲まれた人間関係。
湊さんは本当に、人間関係のドロドロさを書くのが上手いですよね。
確かアガサクリスティーが、時として田舎では都会では想像もつかない陰険な事件が起こることがある……なんて言っていたことがあったような。まさしく、ですね。
ユートピア
太平洋を望む小さな港町 鼻崎町。そこには生き方も考え方も違う、3人の女性がいた。
3人は「クララの翼」の活動を通じて、すれ違い、騙し合い、物語を深めていきます。
それぞれが心に描いている ユートピア(理想郷)は、何が違ったのか。ユートピアに至るまでに吐露する嫉妬、偽善、嘘……。もはや人的ホラーです。幼さゆえの怖さってあるよね。
リバース
湊かなえさんの作品の中で、初の男性主人公・深瀬和久(ふかせかずひさ)。コーヒー好きな、よくいる平凡サラリーマンだった深瀬。なのに、ある日「深瀬和久は人殺しだ」と書かれた告発文が届く。
単純なミステリーにすればいいものを、人間のエゴや妬み、偽善や猜疑心をこれでもかってくらい詰め込んでる。毒の入れ食い状態。湊かなえさん、サービス精神ありすぎです!笑
そこに、優しさとか人の善な部分も入ってるからまた手に負えない。他の湊かなえさん作品よりも共感の部分を足してる、と思いました。毒のあるもの、ないもの、どちらも書ける彼女の、本格ミステリーです。
以上、湊かなえさんの作品集。映像化されていないオススメ本 4選でした。ハードカバーが多くなっちゃいましたよね?文庫派の人はすみません!
過去記事≪湊かなえ著 原作が面白い!映像化されたオススメ本 5選+今秋映画化1作!≫も、ぜひ見てみてくださいね!