読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LINKジャーナル編集部

現役大学生らが自分の足で社会を書くということ

外国人のズレた日本観にビックリ!「家に刀ある?」「琴弾けるでしょ?」

16号(2016年4月発行) 国際 文化 LINK

「えっ、日本人ってパスタ食べるの?!」

 ノルウェーでの留学生活が始まって約一か月が過ぎたころのこと。この一言はかなり衝撃的だった。信じられないという表情でわたしの夕食を指さしてきたのはシンガポール人の寮生でどうやら彼女のイメージする「日本の食卓」はスシとサシミのみで成り立っていたらしい。日本人ならスシでしょ!という彼女に、私たち日本人は和食だけでなくフレンチも中華もイタリアンも食べる、たしかにスシは代表的な和食だけど、だからといって毎日食べるわけではないのだと説明した。彼女の「なるほどねー」と納得した様子に安心しつつも、そういえば以前「君のお母さんは週に何回スシを作るの?」なんて聞かれたことがあったなあと、若干伸びたパスタをすすりながら苦笑してしまった。

f:id:link-hensyubu:20160311013915j:plain

  「日本=スシ」問題に限らず、留学中にこのような「ズレた」日本観に遭遇する機会は案外多い。中でも音楽好きのイタリア人と話していて、「和楽器はすばらしいよね……君も琴が弾けるんでしょ?」と言われたときは一瞬自分の耳を疑った。私は琴に触れたことさえないと言うとショックを受けていたので、大抵の日本人は琴をたしなん

でいると本当に信じていたらしい。他にも、「日本人なら数学得意でしょ?」「家に刀ある?」「カラテできる?」など、挙げていくとキリがない。中には「その不思議な日本観はどこから?」と首を傾げてしまうようなものもあって、ほかの留学生から日本のイメージを聞くことは、私のひそかな楽しみになっていた。

 しかし、私だって人のことを言えた立場ではないのだ。「日本人ならスシ!」と言う寮生を笑っておきながら、私が知っているシンガポール料理といえばチキンライスぐらいしかない。「ズレた」日本観との遭遇で、私自身が無自覚に抱いていた外国人のステレオタイプに気づかされた。(執筆者:音頭佑美)
      

広告を非表示にする