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絵のクマ
ぼくたちは、絵のクマです
赤と、青と、ベージュと、ピンクと、緑がいます
ヒーロー戦隊みたいで、ちょっとかっこいいでしょ?
ぼくたちみいんな、望まれて生まれました
みんな違う色をもらい
すごく可愛い!て喜ばれて
本を読んだり
ドーナツ食べたり
くすくす笑ったり
お昼寝したり
それに毛布をかけてあげようとしたり
小鳥を手にとまらせようとしたり
愛されて
楽しくて
草原で幸福だったはずなのに
気づけばどこでもないところにいました
あたりは真っ暗で、何もありません
どうしたんだろう?
どうしたんだろう?
一体、何があったんだろう?
ぼくたち六頭のクマは身を寄せ合って
考えました
望まれて生まれて
愛されて楽しくて
なのに
どうしてだろう?
果てはこんなところにいる
ぼくたちは、悪いクマだったのかな?
傷つけたり、したのかな?
知らない間にひっかいちゃった?
だからもう
光射さないとこにいて
あなたを笑わせてもあげられなくなったのかな
絵はいつもいつも、心を籠めて描いています。
例え九藤を嫌いになられたのだとしても、丹精したクマたちがいつの間にか、彼らの貰い手と九藤が言葉を交わすことさえなく、影に追い遣られてしまうのはあまりに悲しい。
クマが不憫と思い、献じた詩です。ご不快であればすみません。
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