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民進党挨拶回り詳報(3)志位氏「共闘発展を」 ただ衆院選でさや当ても

産経新聞 3月29日(火)16時39分配信
 共産党の控室では志位和夫委員長らが出迎え、「民共連携」をアピールした。ただ、次期衆院選で協力を進めたい共産党に対し、民進党は慎重な立場。報道陣にすべて公開された約8分間のやり取りの中では、さや当ても演じられた。詳報は以下の通り。

     ◇

 民進党は岡田氏のほか、代表代行の江田憲司、長妻昭、蓮舫の各代表代行、枝野幸男幹事長、山尾志桜里政調会長、安住淳国対委員長ら9人が訪問に訪れた。共産党は志位氏のほか、山下芳生書記局長、穀田恵二国対委員長ら幹部5人が出迎えた。

 共産党では新党結成や他党の新役員のあいさつを受ける際、コーヒーを出してもてなすのが慣例となっている。この日もコーヒーが全員に出された。口火を切ったのは穀田氏だった。

 穀田氏「いまコーヒーを…」

 蓮舫氏「共産党伝統の…」

 穀田氏「共産党は、いつ来られても出しますので」

 江田氏「自民党、何も出なかった」

 穀田氏「いまお話を聞いていると、水を向けられたような…」

 岡田氏「これは沖縄のコーヒーですか?」

 穀田氏「キューバのコーヒーです」

 和やかな雰囲気でコーヒー談義が進む中、岡田氏があいさつを始めた。

 岡田氏「こういうメンバーで、これから新しい民進党、始まりますので、どうぞよろしくお願いします」

 志位氏「まずは結党にお祝い申し上げます。おめでとうございます」

 4秒間の沈黙の後、先制のジャブを繰り出したのは岡田氏だった。

 岡田氏「国会運営、国政選挙でできるだけ協力する。これが党首間の合意ですので、できるだけよろしく」

 志位氏「2月19日の5党首の合意ですね、野党の共闘の画期的なものになると思っていまして、今後は4党ということになりますが、引き続き共闘を発展したい。国会対応、選挙、できる限りの共闘をやっていきたい」

 夏の参院選に向けて候補者の一本化を着実に進める両党だが、衆院選の対応をめぐりぎくしゃくしている。「できる限りの協力」にとどめたい民進党に対し、共産党は参院選同様の対応を求めているからだ。両トップの会話にも、そんな両者の思惑の違いがうかがえた。やや気まずい雰囲気の中、話題は両党の推薦候補が自民党公認候補と対決する衆院北海道5区補選に移った。

 岡田氏「参院選、もう3カ月」

 穀田氏「まずは4月24日の補選」

 岡田氏「北海道の候補者の池田(真紀)さんは結党大会にビデオで出てきてもらったんですが、すごくいい顔に。前もいい顔なんですけど、すごくいい顔になってきて。いい戦いしてんだな、と」

 蓮舫氏「しまってきたねえ」

 穀田氏「随分苦労されたと。自身も」

 岡田氏「今までね。目力が出てきてるんですよ。これは本当に、やりようでしっかり勝てる」

 山下氏「与党は戦々恐々ですもんね」

 志位氏「まず絶対勝利を勝ち取る。次につなげられるような結果にしたいと思っています」

 志位氏が安全保障関連法の廃止法案を共同提出したことなどを挙げると、岡田氏は次のように同意した。

 岡田氏「方向が同じなら、法案はなるべく一緒にした方が、分けるよりは一緒の方がいいに決まっていますから、これからもしっかり協力していきたいと思います」

 志位氏「(参院選の)1人区もだいぶ進んできて、32のうち、かなりのところでいけるんじゃないかなという手応えを持っています」

 岡田氏「1人区でどれだけできるかということにも参院の結果は変わってきているので」

 両党首が参院選の協力を確認しあう中、割って入ったのが東京選挙区(改選数6)で改選を迎え、共産党候補と対決する蓮舫氏だった。

 蓮舫氏「東京では私は戦うんです」

 志位氏「それぞれ競い合って…」

 蓮舫氏「はい、そうします」

 岡田氏「あんまり競い合うと、われわれの方が落ちてしまうので、そこは、まあ…。でも、おもしろくなってきましたよ」

 志位氏「そうですね」

 またも4秒間の沈黙となり、それを破ったのも再び穀田氏だった。

 穀田氏「相手も本気になってきますし、力勝負ですから。力がいかに強いかということを見せつける必要がありますから、結束をさらに固めて」

 岡田氏「笑いながら言わないように」

 岡田氏の“突っ込み”がさえる中、話題は国対委員長同士の関係に変わった。

 穀田氏「こっち(安住氏)とは…」

 安住氏「僕は毎日2杯ぐらいこのコーヒーを…」

 穀田氏「このごろ、私が行っていることが多いですよ」

 安住氏「相互交流です」

 岡田氏「うちはコーヒーを出しているの? ちゃんと」

 穀田氏「いただいてます」

 安住氏「コーヒーに限らず、いろんな種類を選んでもらっています。ここはコーヒー1本ですから」

 穀田氏「ここは相互支援ですから。すみ分けと違って」

 岡田氏「コーヒー出たり、紅茶出たり、お茶出たり」

 安住氏「でも穀田さん、コーヒーお好きだから、濃くなく薄いコーヒーを何杯もお飲みになりますね。うちの方が濃いんですよ。他意はないんですけど」

 長妻氏「自民党のは苦めなんです」

 ようやく口を開いた長妻氏が皮肉を述べた後、志位氏は再び参院選に話題を戻した。参院選の野党候補一本化が最初に実現したのが安住氏の地元・宮城県だったことを持ち出した。

 志位氏「安住さんのところは第1号ですもんね」

 安住氏「○○さんにお世話になりました。ありがとうございました。去年あたりからずっと話し合いを進め、他人とは思えないような。私の住んでいる町内会に共産党の県議の先生がいらっしゃるんですよ。その方が幹事長なもんだから。本当に町内会なんですよ。石巻の本当の町内会で。一緒に飲んだり、食ったりで記事に書かれるんだけど、町内会で飲んでいるんだから。話しやすかったですよ」

 岡田氏「今のは宮城県の発言でした」

 「共産党との連携は限定的」とも言いたそうな岡田氏に対し、志位氏は補選の話を続けた。

 志位氏「池田真紀さんが共産党の決起集会にみえて、すばらしいあいさつをしてくださってね。共産党の降りた候補の思いも受け止めて、橋本美香さんね、がんばりますと言ってくださって。終わった後、一人一人と全員と握手されたんですよ。もうすっかりファンになっちゃって。気持ちよくがんばれるという方向になっていますんで、ぜひまずはここで」

 岡田氏「やっぱり本当、すばらしい候補者だと思いますので」

 共産党は28日の常任幹部会で、これまで抑制してきた次期衆院選の候補者擁立の作業を進めることを決定したばかり。衆院選協力に関する協議を否定している民進党への圧力とも言える。29日の両党の“初対面”は和気藹々(あいあい)とした雰囲気だったが、共産党との衆院選協力に否定的な枝野氏は一切発言しないなど、ぎこちなさも残った。
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最終更新:3月29日(火)17時14分
産経新聞
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志位和夫
志位和夫(しいかずお)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 南関東ブロック 共産党
プロフィール:
1954年7月29日生 初当選/1993年 当選回数/8回
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