東西ドイツ統一に貢献 ゲンシャー元外相 死去

戦後のドイツで18年にわたって外相を務め、東西ドイツ統一の実現に貢献したゲンシャー元外相が、31日、ボン近郊の自宅で亡くなりました。89歳でした。
ドイツのゲンシャー元外相は、1927年、ドイツ東部の都市ハレで生まれました。
第2次世界大戦の兵役後、1952年に当時の西ドイツに亡命し、1965年に自由主義を掲げる「自由民主党」から連邦議会の議員になりました。そして内相などを経て、1974年、中道左派のシュミット政権で外相兼副首相に就任しました。
中道右派のコール政権に替わったあとも、ゲンシャー氏は外相の座にとどまり、1989年のベルリンの壁崩壊後、当時のソビエトのシェワルナゼ外相との間でたび重なる交渉を行うなど、東西ドイツ統一の実現に貢献しました。
ゲンシャー氏は、戦後の西ドイツから統一後のドイツまで18年にわたって最も長く外相を務めました。政界を引退したあとは、核兵器の廃絶に向けた取り組みを進め、2013年8月には広島の原爆の日に合わせてベルリンの日本大使館で演説し、アメリカとロシアに核兵器の大幅な削減を訴えました。
ゲンシャー元外相の事務所によりますと、ゲンシャー氏は先月31日、ドイツのボン近郊にある自宅で亡くなりました。89歳でした。