カタール 2022年W杯会場の改修工事で人権侵害か

カタール 2022年W杯会場の改修工事で人権侵害か
2022年にサッカーワールドカップが開かれるカタールで、スタジアムの改修などに関わっている外国人労働者が人権侵害にさらされているとして、国際的な人権団体は、カタール政府やFIFA=国際サッカー連盟を厳しく批判しました。
国際的な人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は2022年にサッカーワールドカップが開かれるカタールで、スタジアムの改修などに関わっている外国人労働者、200人以上への聞き取りを基にした報告書を先月30日に発表しました。
それによりますと、ほとんどの労働者がカタールに着いたあとに事前に説明された額よりも賃金が低いことを知ったほか、数か月にわたって賃金が支払われなかったり、劣悪な環境で働かされたりする労働者がいることも分かったということです。
アムネスティ・インターナショナルは、こうした人権侵害に対して責任を負うべきカタール政府やFIFAが適切な対応を取ってこなかったとして厳しく批判しています。
これについて、スタジアムの建設などを担当するカタールの当局は声明を出し、「調査は限定的でスタジアムの労働者を代表しているわけではなく、誤解を招くものだ」と反論しています。
また、FIFAはインターネット上に、「進行中の事案で課題は残っているが、カタール当局のこれまでの対応は適切だと確信している」とする声明を出しました。