認知症事故 家族の責任範囲は? 関係省庁が検討へ

認知症事故 家族の責任範囲は? 関係省庁が検討へ
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認知症の人が関係した鉄道などの事故で家族が賠償を求められるケースがあることから、厚生労働省や国土交通省など関係する省庁は、介護を担う家族がどこまで責任を負うべきか検討を始めることになりました。
9年前、愛知県で認知症の男性が電車にはねられ死亡し、男性の家族がJRに賠償を求められた裁判で、最高裁判所は先月、家族に賠償責任はないとした一方で、監督義務があるかは認知症の人への関わり方などから総合的に判断すべきだという判決を言い渡しました。
この判決を踏まえ、厚生労働省や国土交通省など関係する12の省庁で作る会議は、近く、認知症の人の介護を担う家族が事故の際どこまで責任を負うべきか検討を始めることになりました。
会議では、家族の責任のほか、認知症の人が起こした事故についての現状を把握し、はいかいによる事故を防ぐ対策などについても検討するということです。
認知症の人と家族の会 東京都支部の大野教子さんは「認知症の問題は決してひと事ではありません。はいかいによって起こる事故について議論してもらい、家族が安心して介護ができる仕組みを作ってほしいです」と話しています。