奥村輝
2016年4月2日01時03分
通信が途絶え、分解した可能性が指摘されているX線天文衛星「ひとみ」について宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、爆発のような破壊は起きておらず、衛星本体の機能は残っているとの見方を示した。少なくとも二つの物体に分かれていることを観測で確認。宇宙ごみなどの衝突ではなく、本体にトラブルが起きた可能性が高いとみて原因を調べている。
ひとみは、4月中旬から装置の調整のための観測を始める予定だった。今後、太陽電池パネルが太陽の方向を向いて再び通信できるようになるのを待つが、数カ月単位の時間がかかる可能性があるという。会見した常田佐久・JAXA宇宙科学研究所長は「重大な事態だが、回復に全力を尽くしたい」と話した。
JAXAによると、衛星との通信が途絶えたのは3月26日午後4時40分。その後も4回にわたり6秒~6分間程度の電波を受信できたことから、一定の機能は残っているとみている。当時は、衝突のおそれのある宇宙ごみの報告もなく、外部からの衝突の可能性は低いという。
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