韓国憲法裁は31日、売買春を行った男女を処罰する「性売買特別法」を合憲とする判断を下した。憲法裁はこれに先立ち、性売買特別法をめぐる7件の憲法訴願または違憲法律審判申し立てで全て合憲または却下の決定を下している。
憲法裁は「性行為は個人が自律的に決定する私的な領域だが、それが外部に表出し、社会の健全な性風俗を害する場合には当然法的規制を受けるべきだ」とし、裁判官のうち、合憲6、違憲3で合憲決定を下した。
今回問題になった性売買特別法21条1項は、売買春に及んだ場合、1年以下の懲役または300万ウォン(約29万5000円)以下の罰金などに処すと定めている。
2012年7月に現金13万ウォン(約1万2800円)で売春を行い、摘発されたKさんは「売春以外に生計を維持できないのに、それを処罰するというのは、個人の性的決定権など基本権を侵害している」と違憲法律審判を申し立て、ソウル北部地裁が憲法裁に送致していた。これまで7件のケースは大半が売春街の経営者らが申し立てたものだったが、売春を行う女性が違憲性を争うのは今回が初めてだった。
憲法裁は「売買春自体に搾取の性格があり、対等な当事者間の自由な取引行為とは見なせない。自発的売買春も性を商品化し、性犯罪が発生しやすい環境をつくり、健全な性道徳を崩壊させる」と指摘した。
憲法裁はまた、「売買春を刑事処罰することで、売春を行う女性が減少しつつあり、買春を自制するようになったという調査結果がある」とし、「性を売る人を処罰しなければ、経済的利益を目的とした組織的な売買春が再び盛んになる」との立場を示した。