【体操】加藤、内村魂でリオつかむ!1日から国内代表選考スタート
体操全日本個人総合 体操のリオデジャネイロ五輪代表選考を兼ねた全日本選手権個人総合は1日、東京・国立代々木競技場で開幕する。31日は公式練習が行われ、2大会連続五輪出場を目指す加藤凌平(22)=コナミスポーツ=は「状態も良くなって脚力も戻った」と昨夏の左足首じん帯損傷からの完全復活をアピールした。今春に順大を卒業し、エース内村航平(27)が所属するコナミスポーツ入り。新社会人初実戦で、リオ切符へ好発進をする。
ロンドン五輪団体総合銀メダルメンバーの加藤が、リオでの頂点へ第一歩を踏み出す。公式練習では器具の感触や着地などを入念に確認。リオ五輪代表選考の今大会へ「気負わず、いつも通りのペースでやれば大丈夫。(6種目合計)90点くらいは確実にとれる」と8連覇中の内村を脅かすV争いへ自信をみなぎらせた。
G難度の離れ技「カッシーナ」を持つ鉄棒や、安定して高得点を出せる床運動が強み。今春から父・裕之氏(52)が監督のコナミスポーツ入りし「一番心強い味方の父がいるのは励み。気持ちの面でも気合が入っている」と言葉を弾ませた。昨年8月に痛めた左足首も順調に回復。半年ぶりの実戦だった3月のアメリカンカップを優勝し、懸念を払拭した。所属で練習をともにする内村も「最初は足を気にしていて大丈夫かと思ったが、しっかり合わせられている」と太鼓判だ。
総合力の高い加藤が狙うのは、オールラウンダー枠での代表切符。今大会決勝とNHK杯(5月)の合計点で最上位(内村を除く)なら、リオ即内定。14年世界選手権個人総合銅メダルの田中佑典(26)=コナミスポーツ=、同団体総合銀メダルの野々村笙吾(22)=セントラルスポーツ=らが競争相手になりそうだ。加藤は「(個人総合での内定は)1枠なのでライバルはたくさんいる。今大会は確実に2位以内に入ってNHK杯に進みたい」。2大会連続の五輪へ、社会人1年目で最高のスタートを切る。(細野 友司)
◆体操のリオ五輪代表選考 代表は男女とも5人。男子は内村が昨秋の世界選手権個人総合優勝で選考基準を満たして決定。全日本選手権の決勝得点を持ち点に争う5月のNHK杯で内村を除く最上位者を選ぶ。残り3人は6月の全日本種目別選手権を含む3大会の成績から、五輪の団体総合でチームに貢献できる3人を選出。ただし1人はNHK杯5位以内、もう1人は12位以内とする。女子はNHK杯上位3人と、団体で貢献度の高い4人の計7人を代表候補とし、試技会や合宿を経て7月に最終決定する。