早朝の迷惑電話、遭難移民船からのSOSだった イタリア
2016年04月01日 16:36 発信地:ローマ/イタリア
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【4月1日 AFP】イタリア・ローマ(Rome)在住の年金生活者の男性(66)が、荒れた海で遭難寸前だった約600人の移民たちの命を救った――。伊メディアが3月31日、報じた。
発端は3月29日の早朝に男性の元にかかってきた電話だった。「相手は英語とフランス語で話しかけてきたので、一言も理解できなかった」と、この男性は伊日刊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)に語った。男性は電話を切ったが、また同じ番号からかかってきた。それが何度も繰り返された。
「朝っぱらから何がしたいんだか、さっぱり分からなかった」。いたずら電話と思い込んだ男性は警察に通報。警官2人が男性宅に到着したところへ、また電話がかかってきた。これに対応した警官らが、実はSOS発信の電話だということに気付いた。
電話口からは「波や風、ボートのエンジン音」が聞こえたという。警官から連絡を受けた沿岸警備隊が衛星電話の発信元を突き止め、地中海(Mediterranean Sea)で約600人を乗せて漂流していたゴムボート1隻と小船4隻を発見した。
電話の主は、リビアを出港後に荒波に見舞われた移民船に乗っていた1人の男性で、誰かが応答するまでローマの局番がついた電話番号に手当たり次第にかけていたという。
地中海ではリビアから欧州を目指す移民・難民船が急増しており、イタリア沿岸警備隊は29日、シチリア海峡(Strait of Sicily)で直近の数日間に11回の救助活動を実施し計1500人を救助したと発表した。(c)AFP
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