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 埼玉県朝霞市で行方不明になった少女(15)が2年ぶりに保護された事件で、未成年者誘拐容疑で県警に逮捕された寺内樺風(かぶ)容疑者(23)=東京都中野区=が「インターネットで誘拐する場所を探した。1人で帰る少女を見つけ、後をつけた」と供述していることが県警への取材でわかった。「中学生のころから、女の子を誘拐したいという願望があった」と動機を説明しているという。

 寺内容疑者は2014年3月10日、朝霞市内から少女を連れ去り、千葉県や東京都内の自宅に連れ回した容疑で逮捕された。

 県警によると、寺内容疑者は「少女の後をつけ、調べて誘拐した」と話し、朝霞市を訪れた理由については「土地勘はなかったが、ネットの地図アプリで調べた。田舎過ぎず、都会過ぎず(誘拐するには)よい場所だと思った。市内で学校を見て回った」と説明しているという。

 寺内容疑者は逮捕後、容疑を認め、調べに「(連れ去り当時)少女とは面識がなかった」と供述。一方、少女も「知らない男」と説明していた。捜査関係者は、寺内容疑者が少女に目をつけた後、尾行して自宅住所やフルネームを把握し、事前に準備したうえで後日、連れ去りを実行したとみている。県警は押収したパソコンや携帯電話を調べて供述の裏付けを進めるとともに、連れ去るまでの詳しい経緯を調べる。

 県警は1日午前、寺内容疑者を未成年者誘拐の疑いでさいたま地検に送検した。寺内容疑者の右首の部分にはばんそうこうが貼られたままだった。