ビジネスマン必見!あなたの価値観が覆る!?
成功者が集うと言われるTED。TEDでは各分野の第一線で活躍する専門家たちを招いて、様々な講演を行っています。
最近ではその講演をインターネットで配信。TED参加者以外でも無料で見ることができるようになりました。素晴らしい講演は含蓄に富み、時にはこれまで「常識」と呼ばれてきた価値観すら覆してしまいます。
「成果報酬がパフォーマンスを向上させる」「成功すれば幸せになれる」あなたもそう思っていませんか? しかし、もはやそれは「常識」と呼べないかもしれません。
今回はビジネスマンにぜひ見てもらいたいTED動画を10本、厳選してご紹介します。目からウロコが落ちるような講演に仰天必至です!
サイモン・シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか
● サイモン・シネック「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」(18分)
サイモン・シネックは、アップルやマーチン・ルーサー・キング、ライト兄弟など他の人々をけん引するようなリーダーたちの行動様式には、ある共通点があることに気づきました。そしてそれは他の人たちとは正反対であるということも。
シネックが呼ぶ「ゴールデンサークル」というルールはとても単純です。彼らリーダーたちは「なぜ」を自分の中から外に向けて発信しているということ。
「人は『何を』ではなく、『なぜ』に動かされる」。ともすれば夢見がちに思えるこのルールを、様々な具体例や生物学も挙げて証明して見せます。最後まで視聴すれば、必ず「なぜ」がこれほどまでに価値を持つのかが分かるでしょう。
ダニエル・ピンク:やる気に関する驚きの科学
● ダニエル・ピンク「やる気に関する驚きの科学」(18分)
人々により良く働いてもらうには、報酬やボーナスなどインセンティブを与えればいい。そう考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし数々の実験から、まったく逆の結果が得られたとダニエル・ピンクは語ります。インセンティブが用意されていると、人は視野が狭まり、クリエイティビティが阻害される場合があるのだと言うのです。
従来型のインセンティブによる鼓舞はある一定の条件の元でしか機能せず、クリエイティブな仕事の場合は「重要だからやる」「好きだからやる」「面白いからやる」「何か重要なことの一部を担っているからやる」という内的な動機付けに基づくアプローチが有効。
「やる気」というひどくあいまいなものを、法廷の論証のようにロジカルに立証して見せる手腕も素晴らしい。ビジネスマンならばぜひ見ておきたい講演です。
スーザン・ケイン:内向的な人が秘めている力
● スーザン・ケイン「内向的な人が秘めている力」(19分)
内向的であることは恥ずかしく、やや体裁が悪いことであるかのように感じてしまいます。特に社交的で活動的であることが評価される欧米ならばなおさらでしょう。
しかし、内向的な人は大いなる力を秘めているのだとスーザン・ケインは言います。外交的であることを望む世間の価値観に対して、静かに、しかし鋭く切り込む講演は必聴。
外向的なリーダーが気づかぬうちにメンバーのアイディアをダメにしてしまう、というくだりはリーダー論としても聞きごたえ十分です。
ショーン・エイカー:幸福と成功の意外な関係
● ショーン・エイカー「幸福と成功の意外な関係」(12分)
私たちは「幸福になるためには成功しなければならない」と考えています。「幸福」になることが目的だからです。
しかし心理学者のショーン・エイカーはこれを逆だと言います。「成功したければ、いま幸福でなければいけない」。幸福と成功の法則が反転することで、人は幸福も成功も手に入れられるという畳みかけるような論理は圧巻。
講演も堅苦しくなく、終始笑いに満ちていて、幸福がいかに人の脳をポジティブに働かせるかがよく分かります。「~してはいけない」「~はダメ」という言葉が口グセになっているならば、見る価値大。わずか12分で価値観が変わることを実感できるでしょう。
エリザベス・ギルバート:創造性をはぐくむには
●エリザベス・ギルバート ”創造性をはぐくむには”(19分)
クリエイティブな世界には常に「才能の枯渇」という恐怖がつきまといます。また過去に成功した人は「過去を越えられない」という不安もあります。
そういった感情とどうやって折り合いをつけるのか。はるか昔、ギリシャの精霊をヒントにエリザベス・ギルバートはある答えにたどり着きました。
映画化もされた著作「Eat, Pray, Love(邦題:食べて、祈って、恋をして)」が大ベストセラーとなったものの、「運が尽きたヒト」扱いされた彼女が「それでも書くことを選ぶ理由」がよく分かります。何かを始めたいと考えている人はきっと勇気づけられる講演です。
リチャード・セント・ジョン:成功者だけが知る、8つの秘密!
● リチャード・セント・ジョン「成功者だけが知る、8つの秘密!」(3分)
成功者が集まるTED会員にインタビューした結果、「成功の秘密は何か?」という答えを得たリチャード・セント・ジョン。
この講演では彼が得たその秘密について語ります。インタビューした人数はなんと7年間で500人! わずか3分のプレゼンですが、世界的成功者の言葉には含蓄あるものばかり。たった一言であなたの価値観が変わってしまうかもしれません。
ダン・アリエリー:我々は本当に自分で決めているのか?
● ダン・アリエリー:我々は本当に自分で決めているのか?(17分)
私たちは朝起きてから夜寝るまでの自分の行動を自分で決定していると思っています。しかし、本当にそうなのでしょうか?
たとえばテーブルにコーヒーと紅茶があったとして、あなたはコーヒーを選んだけれど、そこには誰の、何の作為もないと言い切れるでしょうか?
認識というあいまいなものは、時に物理的な影響を受けて「認識の錯覚」を起こします。行動経済学者であるダン・アリエリーは、視覚の錯覚や臓器提供登録書、雑誌広告など様々な例を挙げて「認識の錯覚」を説明。
やがて、それが健康保険や年金や株式市場などのデザインにまで影響することを論証してみせます。より良い世界を作るために私たちはどう考えるべきなのか、という示唆に満ちた講演です。
グラハム・ヒル:ものは少なく、幸せは多めに
● グラハム・ヒル「ものは少なく、幸せは多めに」(5分30秒)
物が多くて、部屋が片づけられない人は必聴。たくさんの物を持つこと、広々としたスペースがあることを幸せだと思いがちですが、「少なさ」が「多さ」にも勝る幸せを生み出すのだとグラハム・ヒルは言います。
実際に、人生をコンパクトに編集する「Life Edited」プロジェクトで快適な部屋を手に入れた彼が、具体的な3つのアプローチを紹介しています。
シーナ・アイエンガー:選択をしやすくするには
● シーナ・アイエンガー:選択をしやすくするには(16分)
過ぎたるは及ばざるが如し。これは選択肢にも当てはまるのだとシーナ・アイエンガーは言います。
膨大な量の選択肢はかえって人の選択を阻害し、結論を先延ばしにしてしまう傾向にあるのです。「たくさんのジャムの中から買うべき一つを選べない」という程度なら問題ありませんが、それが将来への投資や健康に関する選択だったなら大問題です。
彼女が勧める、選択をしやすくなるようなテクニックは4つ。シンプルで、仕事にも簡単に応用できそうです。
クレイ・シャーキー:思考の余剰が世界を変える
● クレイ・シャーキー「思考の余剰が世界を変える」(13分)
たとえば質問掲示板などがありますよね。たくさんの質問と回答が掲載されていて、困ったときには見てみるという人も多いでしょう。
投稿している人々は皆個人ですが、たくさんの意見が集まることによってデータベースのような役割を果たし、新たな価値を生み出しています。質問する人が投稿する動機はよく分かりますが、回答する人はなぜ質問に対して答えてあげようとするのでしょうか。
たしかにポイントなど金銭に該当するものを得られることもありますが、ほとんどの人は「親切心」から回答するのではないでしょうか。
クレイ・シャーキーは、こういった「親切心」と個人の投稿を可能にした「デジタル技術」という2つのリソースが社会が抱える問題を解決し得ると言い、このリソースを「思考の余剰」と呼びます。
さらに「思考の余剰」は国をも変え得ることを、実例を挙げて紹介しています。ケニアで生まれた「Ushahidi」の秘話は感動的。新しい力、「思考の余剰」についてぜひ聴いてみてください。
最後に
いかがでしたか? 講演と聞くと堅苦しく感じますが、実際見てみると笑いを交え、かなり分かりやすいものだったのではないでしょうか。
他にもTEDにはたくさんの講演動画が配信されていますし、日本からも講師が招かれて講演しています。ぜひ超一流の知識を浴びるように、他の講演も聴いてみてくださいね。