目次
可愛い飼い猫には、いつどんな時も健康でいてほしいものですよね。
小さな子猫のころから病気ひとつせず成猫になって、老猫になっても元気なままでいてほしい。最期の時がきても長患いせず、苦しまないでほしい。世の飼い主さんたちは皆、そう願っているはずです。
しかし、食事に気を配り、愛情をこめて毎日お世話をしたとしても、病気にならない猫というのは中々いません。猫の健康を維持し、できるだけ長生きさせてあげるためには、やはり飼い主さん自身が猫の病気について詳しく知っておくことが大切です。
まずは猫に多い病気について学び、予防や早期発見、治療に役立てましょう。
猫風邪とは、ウイルスや細菌などに感染することで、まるで人間の風邪のような諸症状を引き起こす病気のこと。1つの病気をさすのではなく、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、クラミジア感染症の3つをまとめて猫風邪と呼んでいます。症状としては主に、くしゃみや鼻水、目やに、発熱、食欲低下など。ただし、複数の猫風邪を併発することで重症化するケースもあるので注意しましょう。
予防方法としては、混合ワクチンの接種が最も有効。子猫のうちから猫風邪に有効な混合ワクチンを接種しておけば、たとえ感染したとしても軽症で済むことが多いのです。
→猫風邪にご用心!子猫がくしゃみをするとき
→猫が風邪をひいたらどのような症状があらわれる?
猫免疫不全ウイルスが原因の病気で、人間のエイズと似た症状がみられることから猫エイズとも呼ばれています。猫同士のケンカによる傷などから感染しますが、グルーミング程度ではほぼ感染しません。初期段階は無症状なことが多いのですが、免疫系に影響して病気や怪我が治りにくくなったり、体重の減少、下痢、肺炎、リンパの腫れなどの症状を引き起こすことがあります。また、半分くらいの感染猫は口内炎や歯肉炎に悩まされ、貧血、鼻炎、結膜炎、腸炎など様々な症状が現れることも。感染から4~5年で発病し死に至る猫が多いのですが、一生なんの症状もないまま寿命をまっとうする猫もいます。
現在、日本には猫エイズワクチンがなく、特効薬もありません。そのため、完全室内飼いで感染猫との接触を避けることが予防方法として有効です。
猫白血病ウイルスに感染することで引き起こされる病気で、白血病になることもあれば、免疫力の低下より臓器に障害を生じさせたり、腫瘍(ガン)や流産、腎臓病、血液の病気、口内炎など色々な病気の原因にもなります。ケンカなどの咬み傷やグルーミング、食器の共有などで感染し、母親から胎児への感染もあります。症状が出ない猫やウイルスが消えてしまう猫もいますが、感染した猫の多くは発症し、2~5年以内に死亡する割合は50~70%。混合ワクチン接種で予防できる病気なので、子猫のうちから接種しておくことが重要です。
→猫白血病ってこんな病気!よくある症状、予防、治療方法まとめ
猫パルボウイルス感染症、猫伝染性腸炎、猫ジステンパーとも呼ばれる感染症で、猫汎白血球減少症ウイルスが原因の病気。感染後は約2~12日間の潜伏期間を経て発症し、嘔吐や下痢、食欲低下などの症状が現れます。成猫なら軽症で済むか、症状が出ないことも多いようですが、生後半年くらいまでの子猫は重症化しやすく、命にかかわる場合も。こちらも混合ワクチン接種で予防できる病気です。
コロナウイルスの一種の猫伝染性腹膜炎ウイルスに感染することで現れる一連の症状のことで、腹膜炎や腸炎などを起こします。発病してしまうと死亡率が高く、多頭飼いで感染しやすい病気。また、雑種の猫より純血種の猫の方がかかりやすいとされています。症状としては、発熱や食欲不振、下痢、貧血のほか、お腹がふくれるなど見た目の変化があることも。発病率は低いものの、感染経路には不明な点も多く、生後半年から3歳くらいの若い猫がかかりやすいので、初期症状を見逃さないように気をつけましょう。
猫伝染性貧血は、マイコプラズマの一種のヘモバルトネラに感染することで起こる症状のこと。感染すると赤血球が破壊されて、強い貧血のほか、発熱や貧血、黄疸、低体温、歯ぐきが白くなるなどの症状が現れます。猫白血病ウイルス感染症にかかっている猫は重症化しやすいので要注意。猫同士のケンカでできた傷やノミ、蚊などを媒介して感染する病気で、治療しないまま放置した場合の死亡率は30%といわれているため、早期発見が何よりも重要でしょう。
猫の肺炎とは、何らかの原因で肺に炎症が発生した状態のことをいいます。猫風邪をこじらせて気管支炎になり、さらに重症化して肺炎になることが多くあるので、ただの風邪だと思って放置していると取り返しのつかないことになる場合も。また、ウイルスや細菌だけでなく、アレルギーやカビなどが原因で肺炎になることがあります。咳や嘔吐、呼吸が苦しそう、発熱、食欲低下、元気がないなどの症状がみられたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
高齢の猫がかかりやすく、一度発病してしまうと一生完治することができない病気です。腎臓機能の低下により、体の中の老廃物などを尿で排泄することができなくなるため、貧血や嘔吐、体重の減少など体調に異常をきたします。早期発見と早期治療が一番大切なので、水を飲む量が増えていないか、尿の量は正常か、しっかり観察しておきましょう。また、定期的に尿検査を含む健康診断を行うことも重要です。
腎臓や尿道の中に結石や結晶ができてしまい、それが尿道に詰まったり、膀胱や尿道を傷つけたりする病気。猫はあまり水を飲まず、とても濃いオシッコをする動物なので、結石ができやすいと言われています。結石はごく小さなものから、数cmにもなる大きなものまで様々。特に、尿道が細くてカーブしているオス猫が重症化しやすいようです。トイレに行く回数が増えたり、尿の出が悪い、トイレで痛そうにしているなどの症状が出たら、まず尿石症を疑いましょう。予防方法としては、ミネラルバランスの良い食事を与えることと、水分をたくさん摂らせる工夫をすることがあげられます。
膀胱内で細菌が増殖し、炎症を起こす病気です。尿石症と併発することも多く、トイレの回数が増えたり、尿の出が悪くなるなど、症状も良く似ています。こちらも水分を多く摂らせることが予防につながるので、日ごろから猫の飲み水が飲みやすい位置にあるか、常に清潔な水が入っているかなど、しっかり確認しておきましょう。
猫の糖尿病は、インスリンというホルモンの働きが悪くなり、血液中の糖が多くなってしまう病気です。オス猫や太り気味の猫が特にかかりやすい病気で、水を飲む量や尿の量が増えたり、しっかり食事をしているのに体重が落ちるなどの症状がみられたら要注意。また、他の病気を併発すると治りにくいのが特徴です。症状が進むと、嘔吐や下痢、脱水症状を起こすことも。食事管理や運動量の管理などを適切に行い、肥満にさせないことが予防につながります。
高齢の猫がかかりやすい病気で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうことで、呼吸数や心拍数が上昇し、心臓に負担をかけます
。心不全や過呼吸症で死亡する原因にもなるので、10歳以上の猫は十分に注意しましょう。たくさん食べるのに痩せてきた、老猫なのに異常なほど落ち着きがない、などの症状が現れたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
原因は不明ですが、心臓の筋肉が徐々に厚くなり、心臓の働きが弱くなってしまう病気です。初期は無症状の場合が多く、進行するにつれて食欲が低下したり、元気がなくなったりといった症状が現れることも。咳や呼吸困難、後ろ足の麻痺などがみられたら危険信号です。根本的な治療法がないため、日ごろの観察が重要になります。
グルーミング中に飲み込んだ抜け毛がうまく排出されず、胃の中で大きな球状の塊になってしまう病気です。長毛の猫に多く、胃や腸を痛めて嘔吐や下痢の原因になったり、食事が食べられなくなることも。症状が軽ければ薬で解消できますが、ひどい場合は外科手術が必要になることもあるので甘くみてはいけません。長毛種はこまめにブラッシングをするほか、植物繊維の多い食事を与えて予防に務めましょう。
その名前の通り、胃や腸に炎症が起こっている状態のことで、人の胃腸炎と症状が似ています。急性胃腸炎と慢性胃腸炎の2種類に分けられ、どちらも共通して下痢や嘔吐が見られるのが特徴。急性胃腸炎では、何度も吐いて食欲がなくなり、激しい下痢をします。症状が重くなると脱水症状で衰弱してしまうことも。慢性胃腸炎では、軽度の下痢や嘔吐が長く続き、体重落ちたり、毛づやが悪くなったりしますが、食欲はあまり落ちないことが多いようです。
原因はウイルスや細菌、古い食事、誤食など様々ですが、ウイルス性の場合は混合ワクチンの接種が、その他の場合は生活環境を清潔に保つことが予防につながるでしょう。
回虫などの寄生虫が猫の体内に入り、住み着いてしまうことで栄養不足や発育不良、下痢などを引き起こします。成猫より子猫のほうが症状が重くなりやすいので、早期に駆虫薬を飲ませて治療しましょう。また、中には人間にも感染する寄生虫もいるため、飼い主さんも注意が必要です。
直腸に排泄物がたまり、重い便秘から便が出なくなります。トイレに座っているのに排泄できていない場合などは、巨大結腸症を疑いましょう。しかし、固まった便のすき間から下痢が出てくることもあり、胃腸炎などと誤解されることも。進行すると、食欲が低下したり元気がなくなるなどの症状がみられます。なお、腫瘍や異物などが原因で起こるといわれてますが、多くが原因不明。普段からトイレの世話をしっかり行い、定期的にきちんとした便がでているかチェックしておきましょう。
扁平上皮ガンは、紫外線が原因で皮膚や目の角膜などの体の表面や、口の中、鼻の中などの表面を覆っている「扁平上皮」という細胞がガン化してしまう病気です。猫免疫不全ウイルス感染症にかかっている猫に発病しやすく、皮膚の扁平上皮ガンの場合は、白猫や白い毛をもつ猫に多いといわれています。皮膚や耳、口、目のまわりなどに小さなしこりやかさぶたができたり、出血がみられるときは動物病院に行きましょう。治療は外科的なものが中心で、早期発見がなによりも重要です。
白血球の一種であり、免疫を担っているリンパ球がガン化してしまう病気です。猫白血病ウイルス感染症が原因で発病する猫が半数以上で、下痢や貧血、呼吸困難、食欲の低下、嘔吐、体重の減少などがみられます。リンパ腫を予防するためには、猫白血病ウイルス感染症を予防する混合ワクチンの接種が有効といえるでしょう。
カビの一種である皮膚糸状菌に感染することで発症し、顔や耳、四肢などに円状の脱毛やフケ、かさぶたなどができる病気です。子猫やストレスの多い成猫、免疫力の低下した猫が感染しやすいとされているので、猫の生活環境を住みよいものに整えることが予防につながります。また、猫から飼い主さんへ、飼い主さんから猫へ接触感染することもあるので注意しましょう。
何らかの原因で皮膚が炎症を起こし、かゆみやフケを生じさせている状態です。ノミアレルギーやアトピー性皮膚炎、カビが原因のケースなど様々ですが、まずは動物病院でアレルギーの可能性を調べてもらいましょう。同時に、ノミ・ダニ予防も定期的に行うことが大切です。
皮膚にヒゼンダニが寄生して炎症を起こした状態で、顔や耳に脱毛や赤い発疹ができます。フケやかさぶたが目立ち、皮膚炎によるかゆみが強いのが特徴。進行すると皮膚が厚くなってシワシワになり、老猫のように見える外見になることもあります。予防方法としては、やはりノミ・ダニの駆除剤を定期的に投与して寄生を防ぐのが有効。また、感染した動物との接触を避けるため、室内飼いを基本としましょう。
結膜が充血し、赤く腫れてかゆみや痛みを伴う病気で、主にウイルス感染などが原因になります。猫が前足で目をこする姿を頻繁に見かけるようになったら、危険信号かもしれません。ハウスダストが原因で発症することもあるので、室内は常に清潔に保ちましょう。
→結膜炎かも…愛猫が目をこすっていたら要注意!
→知っていますか?猫がかかりやすい目の病気
目の表面を覆っている角膜が何らかの要因で傷つき、炎症を起こす病気。異物やホコリ、ケンカによる外傷などが原因になるケースと、栄養障害やウィルス感染、内臓の病気などが原因になるケースがあります。目を痛がったり、目やにや涙が増えたり、目が白く濁るなどの症状がみられたら角膜炎を疑いましょう。軽症なら薬で治療できますが、進行すると手術が必要になる場合もあります。
耳の中の汚れや傷、細菌、カビ、アレルギーなど、様々な原因で耳の中に炎症が起きる病気です。スコティッシュフォールドなど垂れ耳の猫は、この病気にかかりやすいとされています。主な症状としては、耳の中が臭い、耳をかゆがる、耳の中が赤く腫れている、耳の中に耳垢がたまっている、など。定期的に耳掃除をして、常に耳の中を清潔に保つことが予防につながります。
口の中の傷や歯垢・歯石、感染症、栄養不良、アレルギー、腎臓病、糖尿病などが原因となり、口の中に炎症が起きている状態です。発病すると、口の中の腫れや潰瘍、食欲の低下、よだれが多くなるなどの症状がでます。猫白血病ウイルス感染症や猫免疫不全ウイルス感染症にかかっている猫によくみられ、その場合は治りにくいのが特徴です。
ひどくなると食事を食べなくなることもあるので、子猫のころから混合ワクチン接種で感染症を防ぐほか、普段から適切なデンタルケアを行い、予防につとめましょう。
猫の歯周病とは、歯の表面などで細菌が繁殖して毒素をつくり、歯ぐきや骨に炎症が起こった状態のこと。デンタルケアを怠ると細菌の温床になる歯垢や歯石がたまり、口臭が強くなったり、歯ぐきの赤みや出血がみられるようになります。進行すると歯が抜けるだけでなく、副鼻腔炎、内臓への悪影響など、健康を大きく損なうケースも。定期的なデンタルケアで歯石の付着を防ぐことが大切です。
トキソプラズマという原虫に感染することで起きる病気です。猫は無症状ですが、猫の便を介して人に感染することがあり、特に妊婦さんが感染すると、ごくまれに胎児に影響が出るケースがあります。猫のトイレを掃除した後などは、必ず手を洗いましょう。
その名の通り、猫にひっかかれたり、咬まれたりすることが原因で感染する病気です。猫は無症状なので治療の対象になりませんが、人に感染すると傷口の化膿や発熱、リンパ節が腫れるなどの症状がでます。大抵は自然に治りますが、完治まで数週間~数ヶ月かかることもあるので甘くみてはいけません。
猫にひっかかれたり、咬まれたりすることでパスツレラ菌に感染し、傷のまわりに激痛を伴う腫れが生じる病気です。重症化すると、気管支炎や肺炎を引き起こすケースも。猫にひっかかれないよう定期的に爪切りをしたり、猫とのキスを控えるなど、菌を飼い主さんの体内に入れないようにすることが予防になります。
いかがでしたか?
猫に多い病気といっても、原因や症状はそれぞれ異なります。中には命にかかわる病気もあるので、やはり日ごろから健康管理と予防に務めることが、可愛い飼い猫を長生きさせるポイントになるでしょう。
「ワクチン接種」「飼育環境を清潔に保つ」「毎日しっかり様子を観察する」「適切な食事管理と運動量の確保」など、猫のために飼い主さんができることはたくさんあります。
猫の病気についての知識をしっかり学んで、愛猫の健康を守ってあげてくださいね!
COCOA[ココア]は、ペットと暮らす女性のためのwebメディアです。しつけや飼い方・病気から犬・猫と楽しむおしゃれ・トラベル・レシピまでペットとの生活に役立つ情報を発信します。