シベリアで凍った状態で発見されたライオンの赤ちゃんのお腹に1万2000年前の母乳が残っていた
1万年以上前に生きていた動物には思えないほど、きれいに出てきてくれたようです。
シベリアで凍った状態で保存状態のいいライオンの赤ちゃん2匹が発見されたというニュースが以前ありましたが、どうも彼らのお腹の中には母親のミルクらしきものがまだ残っていたそうです。ミルクだと確認された場合、今まで発見された最古の母乳となります。
UyanとDinaと名付けられたライオンの赤ちゃんは、去年シベリアのヤクーツクにある永久凍土層の洞窟で発見されました。このライオンは絶滅種であるホラアナライオンで、生まれて間もなくして死んでしまったとされ、大きさとしては一般的なネコの成猫くらいだったとのこと。
おそらく地すべりが起きて穴の中で死んでしまい、そのままの状態で保存されたのではないかと言われています。赤ちゃんライオンたちは、ほとんど無傷で、毛皮、耳、軟部組織やヒゲまで残っていて、The Siberian Timesが伝えたところによると胃も損傷がなく、最後に飲んだと見られる母乳まであるとのこと。
今後、科学者たちは1匹の赤ちゃんライオン検死をおこない、それが本当に母乳なのかを明らかにするそうです。「赤ちゃんライオンの胃の中には、絶滅したメスのライオンの不透明な白い液体が残っていると信じる理由がある」とThe Siberian Timesに近い筋の人も語っています。もう1匹は検死されずに今度の研究のために使われるそうです。
保存状態がいいので、科学者たちにとって母乳の痕跡があるかどうか調査するのはうってつけなのかもしれません。母乳の保存状態によっては、母親の健康状態や食生活、そして1万年以上前に絶滅した種の母乳の特徴などまで知ることができるかもしれませんね。
Source: Siberian Times
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(リョウコ)
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