深松真司
2016年3月31日23時16分
将棋界唯一の週刊専門紙「週刊将棋」が3月30日号をもって休刊した。棋戦情報や棋士の話題をいち早く届けようと創刊されたが、電子媒体の普及もあって32年の歴史に幕を下ろした。「棋士の皆さんと身近に接して、大変豊かな時間だった」。雨宮知典編集長(54)は振り返る。
「週将(しゅうしょう)」の名で親しまれた週刊将棋。創刊は1984年1月だ。日本将棋連盟が発行し、毎日コミュニケーションズ(のちマイナビ、現マイナビ出版)が制作・販売を担う共同事業として始まった。
「米長、棋聖位奪取に王手」。創刊号の1面は、森安秀光棋聖に米長邦雄王将・棋王が挑戦した第43期棋聖戦五番勝負第3局の結果を伝えている。
当時の将棋メディアといえば、棋戦を主催する新聞社の観戦記のほか、「将棋世界」や「将棋マガジン」「近代将棋」といった月刊誌が主流。1週間ごとに、タイトル戦以外の対局も詳しく報じる週刊新聞の登場は画期的だった。
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