漁船衝突転覆 貨物船管理会社に安全勧告

3年前、福岡市沖の玄界灘で漁船が貨物船と衝突して転覆し1人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は、貨物船が必要な対応を取らないまま漁船に衝突し、海上保安庁に通報しなかったとして、船を管理する中国の会社に対し安全勧告を行いました。
平成25年6月、福岡市沖の玄界灘で、福岡市の漁船「津の峯丸」が未明に外国船籍の貨物船と衝突して転覆し、船長の男性が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は31日、報告書を公表しました。
それによりますと、貨物船の中国人の乗組員は霧で視界が悪化したのに衝突を避けるための汽笛を鳴らさず、レーダーで漁船を確認したものの、さらに接近してからでも避けられると思い、自動操縦のまま速度を落とさず航行を続けたとしています。
さらに衝突後、中国人の船長は1時間半にわたって付近を捜索したものの、船が見当たらなかったことから、大した衝突ではないと考え、海上保安庁に通報しなかったということで、報告書は、通報などを行っていれば漁船がより早く発見された可能性があるとしています。
このため運輸安全委員会は、貨物船を管理する中国の会社に対し、乗組員への教育を徹底するよう安全勧告を行いました。