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 福岡県中間市の住宅で1月、住人の無職綾戸幸男さん(当時86)が殺害されているのが見つかった事件で、福岡地検小倉支部は31日、殺人容疑で逮捕、送検された同市の無職男性(61)を処分保留で釈放し、発表した。

 地検は「現時点で公訴を維持するに足りる十分な証拠が得られておらず、今後の捜査結果を踏まえて判断する必要があるため」と理由を説明している。

 捜査関係者によると、男性は1月の逮捕当初、「もめたので刺した」と容疑を認め、「(凶器の)刃物は捨てた」と供述。県警は供述などに基づいて捜索したが、刃物は見つからなかった。その後、男性は「酒と睡眠薬を併用しており、覚えていない」と否認に転じていた。

 地検は男性の責任能力の有無を確かめるため、1月末から今月28日まで、福岡県内の病院で男性を鑑定留置していた。