2016.3.31 13:00

【球界ここだけの話(497)】鳥のささみ肉が生んだプロ8年目の初本塁打…G立岡の新たなる挑戦

【球界ここだけの話(497)】

鳥のささみ肉が生んだプロ8年目の初本塁打…G立岡の新たなる挑戦

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サンスポ記者の球界ここだけの話
本塁打を放った巨人・立岡=横浜(撮影・塩浦孝明) 

本塁打を放った巨人・立岡=横浜(撮影・塩浦孝明) 【拡大】

 「(記念のボールは手元に)帰ってきました。どうしようかな…。とりあえず、(自宅に)飾っておこうかな」。3月29日のDeNA1回戦(横浜)でプロ初本塁打した立岡宗一郎外野手(25)は、そう言って表情を崩した。

 鎮西高から2009年にソフトバンクに入団した25歳。2012年に巨人にトレード移籍後、左肘靭帯を断裂し、右打ちから左打ちに転向した異色の苦労人だ。五回二死から今永の内角直球を腕をたたむようにして振り抜き、プロ8年目で初めて本塁打した。

 オフから取り組んできた肉体改造が、実を結んでいる。「トレーニング方法も変えたし、ただ単に筋力トレーニングをするんじゃなくて。体幹トレーニングだとか、そっちの方に力を入れた」と量より質に目を向けた。

 オフの間の食事も変えた。脂質が少なく、効率よくタンパク質を摂取できる鳥のささみを毎日のように食べ続けた。「この時期しかできないですから。(ささみは)高タンパク質なので300グラムぐらいは食べています。味付け? 梅肉とかですかね…」。昨季81キロだった体重はオフの間に3キロ増え、キャンプを終えた今も1キロ増をキープする。「『減った』という感覚より、『絞れた』という感じ」と手応えを感じている。

 開幕から2番に座り、高橋巨人の開幕ダッシュを支える。29日の同戦では一回に中前打、八回には左翼線二塁打と広角に打ち分けた。「最後(の打席)だとか1本目のヒットは、しっかりボールの内側をバットで打って、自分らしいヒットだと思う。(本塁打は)『交通事故』ぐらいに書いといてください」と自分のスタイルを見失わない姿は頼もしい。

 「次は来年ぐらいに打てれば」と笑わせたが、翌30日にも2号ソロを放った。『一新』をスローガンに掲げるチームの中で、大化けの予感が漂っている。

(長崎右)