九州新幹線長崎ルート 平成34年度中に暫定開業へ

九州新幹線長崎ルート 平成34年度中に暫定開業へ
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新型車両の開発が遅れている九州新幹線長崎ルートは、新幹線と在来線を乗り継ぐ「リレー方式」を導入することで、平成34年度中に暫定開業する見通しとなったことが分かりました。
九州新幹線長崎ルートは、「フリーゲージトレイン」と呼ばれる新型車両の開発の遅れで、当初予定されていた平成34年度に新型車両での全面開業ができない状況になっています。
この問題について与党は検討委員会を設け、沿線の自治体やJR九州などと調整を進めてきましたが、関係者によりますと、委員会として新幹線と特急列車を乗り継ぐ「リレー方式」を導入し、平成34年度中の暫定開業を目指す方向で最終調整しています。
「リレー方式」の導入にあたって、沿線自治体の佐賀県などが難色を示してきた追加の財政負担については、導入に必要な費用、およそ70億円の一部を法律に基づいて沿線の佐賀県と長崎県が負担する一方、佐賀県と長崎県がJR九州から購入することにしている並行在来線の線路の費用負担を無くすことで自治体の負担を軽減するとしています。また、JR九州の負担については今後、国が配慮するとしています。
与党の検討委員会は25日開かれる会議でこうした案を了承する見通しで、これにより九州新幹線長崎ルートは「リレー方式」の導入によって平成34年度中に暫定開業する見通しとなりました。

リレー方式 武雄温泉駅で乗り継ぎ

九州新幹線長崎ルートは福岡県の博多から佐賀県の新鳥栖、武雄温泉を経由して長崎までを結ぶ143キロの区間です。当初は線路の幅が違う新幹線と在来線の両方を走ることができる新型車両で、博多から新鳥栖まで新幹線のレール上を走り、新鳥栖から佐賀県の武雄温泉までの区間については在来線のレール上を、そして武雄温泉から長崎までは現在建設中の新幹線のレール上を走る予定でした。
「リレー方式」では、博多から武雄温泉までは特急列車で在来線のレール上を走行し、武雄温泉から長崎までは新幹線が走る予定です。このため武雄温泉で乗り継ぎが必要になりますが、現状の設計のままだとホームでの乗り継ぎができないため、今後、設計を変更することが必要になります。