川内原発 免震重要棟の代わりに耐震構造の施設を申請

川内原発 免震重要棟の代わりに耐震構造の施設を申請
去年、再稼働した鹿児島県にある川内原子力発電所の緊急時の対応拠点について、九州電力は、当初計画していた免震重要棟を建設せず、代わりに耐震構造の施設を設置するとした計画を原子力規制委員会に改めて申請しました。規制委員会は、計画を変更するかどうか慎重に検討するよう求めていて、申請どおりに認められるか注目されます。
川内原発は、再稼働の前提となる審査で、今年度(平成27年度)中に「免震重要棟」を新設して、この中に事故対応の拠点を整備する計画を示し、それまでの間は別の施設で代替するとして審査に合格しました。
しかし、九州電力は再稼働後の去年12月に、この計画を取りやめ、今の代替施設を使い続けて、その隣に耐震構造の施設を設置すると計画の変更を申請し、原子力規制委員会は「安全性向上の根拠に欠ける」などとして、申請を出し直すよう求めていました。
これを受けて九州電力は、改めて検討した結果、免震重要棟は建設せず、代わりに耐震構造の対応拠点を新たに設置するとした計画をまとめ、25日に原子力規制委員会に申請しました。
免震重要棟を建設しない理由について、九州電力は、耐震構造でも地震の基準などを満たすとしたこれまでの主張に加え、今回の申請では新たに、耐震構造の施設は建設の実績があるため、免震重要棟を建設するよりも2年程度早く完成し、安全性の確保につながることを挙げています。
九州電力は今後、佐賀県にある玄海原発についても免震重要棟を建設するかどうか検討することにしていますが、規制委員会は今回の計画の変更について、慎重に検討するよう求めていて、申請どおりに認められるか注目されます。

原子力規制庁 総務課長「安全性向上につながるかが重要」

原子力規制庁の松浦克巳総務課長は「安全性向上につながるかということが、いちばん重要だと思っている。今後、九州電力からヒアリングなどで事実関係を確認したうえで、審査会合で議論していきたい」と述べました。

薩摩川内市長「十分な協議・審査のうえ結論を」

川内原発がある薩摩川内市の岩切秀雄市長は「原子力規制委員会と九州電力は、安全性向上の観点から十分な協議や審査を行ったうえで結論を出してもらいたい」というコメントを出しました。