タイと中国の共同鉄道事業 一部区間の事業見直しへ

タイと中国の共同鉄道事業 一部区間の事業見直しへ
タイ政府は、中国と共同で整備する鉄道事業について、コストなどで中国側と折り合いがつかなかったとして、一部の区間を単独で着工することを決め、事業の見直しを迫られています。
タイと中国の政府は、タイ東北部のノンカイから首都バンコクや港湾地帯のラヨーンに至る全長870キロの鉄道建設をことし5月から始めることで合意していました。
ところがコストなどを巡って中国と折り合いがつかず、タイのアーコム運輸相は25日会見を開き、23日にプラユット暫定首相が訪問先の中国で李克強首相と会談した際、バンコクを含む一部の区間について、タイが単独で資金を調達し建設を進める方針を伝えたことを明らかにしました。
アーコム運輸相は、両国の協力の枠組み自体は継続すべきとしたうえで、残りの区間については「いつ工事を行うのかは分からない。準備ができるまで延期する」と述べ、中国との共同事業は見直しを迫られています。
一方の中国も、南西部の昆明からタイやマレーシアを通ってシンガポールまでを鉄道で結ぶ物流ルートの構築を目指していることから、今回のタイ政府の決定でこの計画に影響が出ることも予想されます。