シリア情勢 政権移行の枠組み作りで米ロが一致

シリア情勢 政権移行の枠組み作りで米ロが一致
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アメリカのケリー国務長官はロシアでプーチン大統領と会談し、シリア情勢を巡ってことし8月までに政権移行の枠組みを作り、憲法の草案の策定を目指すことなどで一致しましたが、内戦の終結が実現できるかどうかは依然不透明です。
ロシアを訪問したアメリカのケリー国務長官は24日、ラブロフ外相に続いてプーチン大統領と会談し内戦が続くシリア情勢について意見を交わしました。会談のあとケリー長官は「ことし8月までにシリアの政権移行の枠組みを作り憲法の草案の策定を目指すことで一致した」と述べたうえで、シリアに影響力を持つロシアがアサド大統領の退陣を促すことに期待を示しました。
一方、ロシア側もアサド大統領の処遇はシリア国民が決めることだという立場は崩さなかったものの、すべての当事者に働きかけを強めるなどシリア問題の解決に向けてアメリカとの連携を強化することを確認しました。
しかし、アサド大統領の退陣を求める反政府勢力側と退陣は受け入れられないとする政権側の立場の隔たりは大きく、内戦の終結が実現できるかどうかは依然不透明です。
シリア問題は、アサド政権と反政府勢力の戦いの混乱に乗じて過激派組織IS=イスラミックステートが勢力を拡大し、ヨーロッパの一連のテロの根源とされ、ベルギーで今週起きた連続テロ事件もISが犯行を認める声明を出しています。