手塚治虫さん滞在の老舗旅館 あす閉館

手塚治虫さん滞在の老舗旅館 あす閉館
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日本を代表する漫画家の手塚治虫さんが漫画を描く際に滞在していた東京・文京区の老舗旅館が、老朽化のため4月1日で閉館することになりました。
閉館することになったのは、東京・文京区で明治37年から続く老舗旅館、「朝陽館本家」です。
この旅館は出版社や印刷所が近くにあったこともあって、昭和30年代ごろまで漫画家の手塚治虫さんが漫画の原稿を描くためにたびたび滞在していたということです。
手塚さんがいつも泊まっていた「蘭の間」は、2階にある6畳間で、今も当時のまま客室として使われています。
この部屋で手塚さんは当時連載中だった「ジャングル大帝」や「火の鳥」などの名作を描いたということで、手塚さんのエッセーに収められた漫画には、この旅館に編集者が刑事のふりをして原稿の催促にやってきたというエピソードが紹介されています。
4代目の主人、種田守孝さんは、「手塚治虫さんの漫画の歴史にうちの宿が少しでも関わりを持てたことをとても誇らしく思います。旅館がなくなっても、近くを通った人に『昔ここに旅館があったね』と思い出してもらえればありがたいです」と話していました。