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【鑑賞眼】歌に込めた拓郎への敬意 井上陽水コンサート2015「UNITED COVER2」

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【鑑賞眼】
歌に込めた拓郎への敬意 井上陽水コンサート2015「UNITED COVER2」

甘い歌声を響かせた井上陽水(有賀幹夫撮影)

 今秋から始まったシンガー・ソングライター、井上陽水(67)の全国ツアーの東京公演。最新アルバム「UNITED COVER2」の収録曲やヒット曲「夢の中へ」など21曲を甘い歌声で披露した。永遠のライバルとされるシンガー・ソングライターの吉田拓郎(69)への思いを語る場面も。ユーモアを交えたトークで魅了した。

 序盤から観客のボルテージを高めた。カバー曲「コーヒー・ルンバ」などに続き、3曲目で熱唱したのはヒット曲「飾りじゃないのよ涙は」。速いテンポで歌い、観客を興奮の渦に巻き込む。それでも「皆さんは(表情が)硬い。硬くなる必要はない」と挑発し、笑いを誘う。そんな軽妙なトークで、“陽水ワールド”に一気に引き込まれた。

 6曲目を歌い終えると、吉田について語り始めた。昭和47年リリースの吉田のアルバムは大ヒットし、その後に井上のアルバムも大ヒットした。以来、「2人は仲良しではないという言われ方をしている。『いや、そんなことはないよ』と、僕は言えません」とニヤリ。一方で、「リスペクト(尊敬)している吉田拓郎の曲を(最新アルバムに)絶対に入れたいと思った」という。吉田の名曲「リンゴ」のカバー曲はしなやかな歌声で口ずさんだ。井上自身が曲を楽しんでいるようだ。

 ツアーは来年2月10日から再び行う。原曲を歌う人への敬意はカバー曲の重要なスパイスになることを確認できた一夜だった。4日、東京・丸の内の東京国際フォーラム。(竹中文)

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