草食系は早死にする!?寿命と性ホルモンのフシギな関係

第12回ゲスト:奥村康さん(後編)

2016年03月31日(木) 島地 勝彦
〔写真〕峯竜也 〔構成〕小野塚久男 〔撮影協力〕Bar ODIN

【前編】はこちらをご覧ください。

健康でいたいなら、菜食より断然肉食

島地 引き続き、今回は先生のご専門である免疫学のお話をうかがっていこうと思います。ん? なんだ、日野。どうも納得できないって顔してるじゃないか。

日野 いや、葉巻とシングルモルトに溺れ、肉が大好きで、今でも若いオネーチャンをどうにかしたいという欲求が衰えない島地さんが、健康面では理想的というのは、いまいち腑に落ちないというか。だとすると、健康のためにストイックな生活を送ってる人が報われないというか……。

島地 スティーブ・ジョブズは若くして亡くなったけど、彼は厳格なベジタリアンで、かなり偏った食生活だったらしいですね。

奥村 ベジタリアンには私も賛同しません。そうやって、あれはダメ、これは食べてはいけないと、自分を縛り付けること自体がストレスにつながります。それは免疫学的にはいちばんよくないことです。

免疫とはそもそも、誰もが持っている力で、ウイルスや細菌などの異物が体内に侵入したり、異質な細胞ができたりすると、攻撃して排除し、体を守る働きです。つまり、免疫力は生命力そのものです。免疫力を高めることが、病気や老化を防ぎ、健康で長寿な体をつくることに直結するわけです。

島地 前回、お話に出た「NK細胞」も免疫システムの一部なんですよね。

奥村 免疫の仕事を担うのは血液に含まれる白血球ですが、その約35パーセントはリンパ球です。1970年代まで、リンパ球にはT細胞、B細胞があり、協力してウイルスや細菌などと撃退しているとされていました。

ところが、もう一つ、別の細胞があることが発見されました。その細胞は「生まれながらにして殺傷能力を持つ=ナチュラルキラー」という性質のため、NK細胞と呼ばれています。

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