サンバーナーディーノ乱射事件の捜査のため米国政府がアップルに iPhoone 5c のロック解除を求めていた件は第三者がロック解除に成功したことで取り下げられることとなりました。この件では、米国政府が200年以上も前の法律である全令状法(All Writs Act)を根拠としてアップルにロック解除を要求していたことが話題となりましたが、同様の要請はこれまでにも多数発生していることがわかりました。

アメリカ自由人権協会(ACLU)がまとめ、公開した資料によると、米国政府はこれまで63例におよぶ案件で全礼状法を使った要請をメーカーに求めていました。またそのうち約1割は、アップルではなくGoogleに対するものでした。

先日の裁判のときも、政府はサンバーナーディーノ乱射事件以外、たとえばカリフォルニア州の案件でアップルに対して全礼状法を突き付け、iPhone 5s のロック解除を要求していたという例が明るみに出ていました。また政府はほかにも「スマートフォンメーカー」に対して、いくつかロック画面迂回の要求を出していたと伝えられていました。

ACLU は、政府からメーカーへの協力要請を州ごとにわけて調査し、ウェブページ上で地図をクリックするだけで、件数と内容、協力を要請している機関名がわかるようにまとめました。たとえば、カリフォルニア州をクリックすれば、 アップルが FBI からロック画面迂回の要請を受けていること、一方 Google は国土安全保障省からパスワードリセットの要請を受けていることなどがわかります。
これまでこうした話は アップル や Google が個別に対応していたわけですが、アップルが要請に従わないことを表明したとき、Google や Facebook、Twitter、マイクロソフト、Amazon などがこれを支持する態度を示したのも、もしかするとこうした状況への不満を反映していたのかもしれません。

ただ、ACLU の資料にある案件のすべてが、サンバーナーディーノ乱射事件と同様の事件というわけではありません。むしろ麻薬に関連する事件が多く、ほかには児童ポルノ取締に関連するものなどもありました。なお、ACLU はマップにまだ反映していない13例を追加で把握しているとしています。このうち12件はアップルへの要請ということで、アップルばかりやたらと多いのもどういうことなのか、気になるところではあります。
Googleも米政府からスマートフォンのロック解除を迫られていた。ACLUが調査結果を公開
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