四代目江戸家猫八さんが死去

四代目江戸家猫八さんが死去
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動物や鳥の鳴きまねの芸で知られる四代目江戸家猫八さんが、今月21日、進行胃がんのため、神奈川県内の病院で亡くなりました。66歳でした。
四代目江戸家猫八さんは、15年前に亡くなった先代の長男で、高校を卒業後に父のもとに入門して、ものまね芸の道に進みました。江戸家小猫の芸名で、うぐいすや猫、こおろぎなど、さまざまな動物の鳴きまね芸で、寄席やテレビなどで幅広く活躍しました。
平成21年に父を継いで四代目江戸家猫八を襲名し、その際、鳴きまね芸を磨くために通ったという上野動物園で襲名披露を行って話題となりました。
指笛を使ったうぐいすの鳴きまねをお家芸として先代から受け継ぎ、鳴きまね芸の第一人者として人気を集めたほか、野鳥の生態観察や自然保護の活動などにも取り組んでいました。
落語協会によりますと、猫八さんはことしに入ってからも高座やテレビに出演していたということですが、今月21日、進行胃がんのため、神奈川県内の病院で、66歳で亡くなりました。

二代目小猫さん「最後まで仕事を全う」

亡くなった四代目江戸家猫八さんの長男で、親子でものまね芸の舞台に立つこともあった、二代目江戸家小猫さんは「父はふだんも、テレビに出ているときと全く変わらず、裏表がなく、家族思いな人でした。仕事の面ではとても真面目で自分に厳しく、胃がんが見つかり、これ以上の手だてがないと分かってからも、最後まで仕事を全うしました。父からはよく『おまえが自分で考えて芸を磨きなさい』と言われましたが、そのことばを大切にしていきたいです」と話していました。

林家三平さん「芸は人なりを体現」

子どものころから猫八さんと親しく、テレビや寄席などで数多く共演してきた、落語家の二代目林家三平さんは、「ことしの正月に寄席で共演した際、師匠は『さんちゃん頑張ってね』と元気に声をかけてくれました。今も信じられず、ただ胸が苦しいです。私が笑いをとれずに落ち込んでいると、『そのままでいい。明るくやっていれば、いつか分かってくれるよ』と励ましてくれたことが忘れられません。本当に気持ちのいい人柄で、『芸は人なり』を体現する人でした。師匠はみんなの心の中に生き続けると思います」と死を悼んでいました。