今回はスクールカースト、すなわち「学校内での身分制度」について知識を深めていきましょう。
皆さんも学生時代、経験があると思います。
ほとんどの人は、自分の居場所を確保するために、他者との力関係を見極めようと必死になっていた時期があるはず。
「クラスの人気者」である一軍メンバー
一軍のご機嫌を伺う、太鼓持ちグループ
PCやアニメに没頭する、オタクグループ
よく分からない不思議ちゃんのグループ
・・・・・・
あるいは、
どこにも所属できずに、イジメの標的にされちゃう人とか。
かくいう私は、スクールカーストのカテゴリーで言うところの「スラッカー(Slacker)」=「バカ」でした。
今回、スクールカーストのカテゴリーを直感的に理解できるよう「ちびまる子ちゃん」のメインキャラクターに当てはめてみる事にしましたが、
その前に、いわゆる学園モノのハリウッド映画などで頻繁に描かれている、アメリカのケースを見てみましょう。
アメリカのカースト制度は非常に分かり易い
アメリカの映画では、高校や大学が舞台の場合、必ずと言っていいほど「スクールカースト」を象徴するようなシーンが出てきますよね。
先日テレビで放送されていたファミリー向け映画「モンスターズ・ユニバーシティ」でも、残酷なくらい「カースト制度」がゴリゴリに描かれていました。
「モンスターズ・ユニバーシティ」とは、「モンスターズ・インク」の主人公たちの大学生時代を描いた映画です。
この映画の客層はおそらくファミリー、特に子供向けだと思うんですが、この映画を観た子供たちは、
学校には、まぎれもなく身分制度があり、否も応もなく自分自身もランク付けされてしまうんだと、徹底的に思い知らされる事になります。
子供が観る映画なのに、日本みたいに「みんな仲良し」でもないし「みんな平等」でもないんです。
残酷な現実を、アメリカでは、ポップに、リアルに描いています。
登場人物のサリー(青くてデカいヤツ)は最初、スクールカーストの最上位に位置する人気者のグループ「ロアー・オメガ・ロアー」へスカウトされますが、
のちにヘマをしてハブられ、カーストの最下層、サリー自身も見下していた、負け組グループ「ウーズマ・カッパ」に受け入れてもらうことになります。
映画「キック・アス」では、主人公の気弱な高校生デイヴが、あまりにもカツアゲ(恐喝?)されまくっていて「カツアゲされ慣れ?」してる事をあらわすシーンがあります。
日常的に、何度も何度も財布やケータイを奪われているので、もはや無抵抗かつ無感情です。
ヤバいヤツが向こうから歩いてくるだけで、主人公のデイヴは、速やかに自分から財布とスマホを差し出します。
まるで「自分のような人間は、財布を奪われて当たり前」という悟りの境地にたどり着いているかのようです。
デイヴとその友人たちは、スクールカーストで言うところの「Loser(ルーザー)=敗者」であり、その中でもギリギリ、イジメの対象「Target(ターゲット)」を免れている、「nerd(ナード)」というポジションでしょうか。
さらに細かく分類すれば「Geek(ギーク)=オタク」というカテゴリーに属しています。
ザックリですが、主なスクールカーストのカテゴリーを表にしてみました。
表を見ながら、それぞれのカテゴリーをサクッと解説していきます。(間違ってたらごめんなさい)
カースト制度の最上位に君臨するのは、「ジョック」と「クイーンビー」です。
ジョックのTOPは学校の王様、クイーンビーは女王様、という感じですね。
アメリカの場合は大抵、ジョックはアメリカンフットボール部のエース、そしてクイーンビーはチアリーダー部のセンターの子が君臨するようです。
非常に分かり易いですね。
女子ならきっと分かる、クイーンビー、サイドキックス、ワナビーというそれぞれのポジション
女子ならみんな、「あ~分かるわ~」と思うかもしれませんが、「クイーンビー」の周りには「サイドキックス」という女友達の取り巻き連中が存在します。
そして「いつかは自分もサイドキックスになりたい!」もしくは「サイドキックス以上の地位に就きたい!」と願っている「ワナビー」という連中も存在します。
こんな記事を見つけました。かなり、おぞましいです。閲覧注意です。
アラサー女子5人が、学生時代にスクールカーストのどの位置に属していたのかを語り合っています。
女子は、数人で連れ立ってトイレに行くケースが多いようですが、カースト下位の人は「クイーンビー」たちと同じタイミングでトイレに行くのを避けるために、
学校でトイレに行かなくて済むよう、できるだけ水を飲まないようにしていたと語っています。怖いです。
ジョック以下の序列をサラリと解説。プリーザー、プレップス、スラッカー、メッセンジャーとは?
プリーザー
ジョックの取り巻きであり、自分よりも下のランクの者へアレコレ言える立場って感じでしょうか。
プレップス
家が金持ち。育ちがいい。ボンボン。
スラッカー
バカ。面白い事をやるやつ。
その名の通り、パシリ。
そしてここから下は、いわゆる負け組。ギーク、ブレイン、ゴス。
この辺は、アメリカと日本では、ちょっと感覚が違いますね。
ゴス(ゴシック系)の人、ガリ便(ブレイン)、オタク(ギーク)は、同程度の負け組、と考えられているようです。
しかし現実には、「ブレイン」や「ギーク」は社会に出てから大成する者も少なくありません。
音楽オタクがバンドでブレイクしたり、映画オタクが、のちに映画監督として成功を収めたり。
マイクロソフト社のビル・ゲイツは、学生時代ゴリゴリの「ギーク」だったらしく、若者へ向けて
「君たちは将来、今、君たちがバカにしているギークの下で働くことになる」と発言したこともあるようです。
どこのカーストにも属さない特別枠「不良(ワル)」と「不思議ちゃん」
ここまで超ザックリと、主なカーストの位置付けを見てきましたが、カーストの序列を無視した、特別枠のようなポジションも存在しています。
それが日本で言うところの不良、すなわち「ワル」(バッドボーイ、バッドガール)と、いわゆる「不思議ちゃん」(フローター)です。
バッドボーイなんかは、カースト云々というより、普通に犯罪者、および犯罪者予備軍ですから、ちょっとジャンル分け自体がおかしいような気もしますね。
カーストのド底辺は、いじめの標的「ターゲット」。
説明する必要もないし、虚しいので、速やかに次へ行きます。
お待たせしました。いよいよ「ちびまる子ちゃん」のキャラクターをカースト制度に当てはめてみよう。
最初に言っておきますと、私はあまり「ちびまる子ちゃん」を観たことがありません(笑)
キャラクター図鑑みたいなものを見ても、半数は「えっ?こんなクラスメートいたの?」っていう感じですので、メインで頻繁に登場するキャラクターだけをピックアップしていくことにします。ご了承ください。
もう一回、スクールカーストの表を見て、おさらいしておきますか。
まずは、分かり易いところから。
男子のトップ=ジョック
大野くん、杉山くん
女子のトップ=クイーンビー
城ケ崎さん
クイーンビーの取り巻き=サイドキックス
笹山さん
今より高い地位を望んでいる=ワナビー
みぎわさん
金持ち、ボンボン=プレップス
花輪くん
お調子者のバカ=スラッカー
はまじ
がり勉=ブレイン
丸尾くん
不思議系、謎=フローター
野口さん
と言ったところでしょうか。
しかし、それ以外のキャラクターに関しては、なかなかカテゴリー分けができませんね。
と言うのも日本のアニメですから、やはり「みんな仲良し」「みんな平等」「差別もいじめもない」という描き方をしています。
命令する側、される側、みたいな上下関係を露骨に描かず、みんなほぼ同程度の力関係のようなので、序列がイマイチ、ハッキリしませんでした。
ここで、あえて、まるちゃんを分類するなら、どうなるんでしょうねぇ…。
クイーンビーである笹山さんの取り巻き「サイドキックス」?
それとも、バカを演じる人気者「スラッカー」?
う~ん…
どこにも属さない不思議ちゃん「フローター」かなぁ?
そもそも根本的に、リアルな日本の社会では、アメリカのように単純なカテゴリー分けは出来そうにないですね。
たとえば、前述のサイトには、こんな表が載っていました。
「私のスクールカーストはこうして決まった」 元1軍から3軍のアラサー女子座談会 - トゥギャッチ
不良も一軍、ギャルも一軍、メジャーな運動部も一軍。
物凄くシンプルでハッキリしている表に見えますが、実は非常にあいまいで、分かりにくい分類になっています。
このピラミッド型の感じだと、比率として3軍がもっとも人数が多いようにも見えますし。
なんでも横並びが大好きで、他人と同じだとホッとする日本人ですから「ちびまる子ちゃん」の世界にしても、リアルな日本の社会にしても
「ほぼ全員が普通=2軍」ということなのかも知れませんね。
結局、スクールカーストを分かり易く解説するために「ちびまる子ちゃん」のキャラクターに当てはめてみようという試みは、残念ながら見事に失敗してしまいました。
人間って難しいなぁ~。
とくに、日本人て難しいなぁ~(笑)
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