国立感染症研究所 「レベル4」施設で5月から実験

国立感染症研究所は、エボラウイルスなど危険性が特に高い病原体を取り扱える「バイオセーフティレベル4」に国内で初めて指定された、東京・武蔵村山市の実験施設で、ことし5月からウイルスを使った実験を始めることを明らかにしました。
東京・武蔵村山市の国立感染症研究所村山庁舎に設置されている実験施設は、エボラウイルスなど危険性が特に高い病原体を取り扱える「バイオセーフティレベル4」の指定を、去年8月、国内で初めて受けました。
研究所によりますと、所内の委員会が、ことし5月から、マダニが媒介するSFTS=「重症熱性血小板減少症候群」のウイルスを使い、治療薬の効果を確かめる実験を行うことを承認したということです。
SFTSのウイルスは法律で三種病原体に分類され、エボラウイルスのような一種病原体よりも危険度の低いものですが、バイオセーフティレベル4の指定を受けた施設でウイルスを使った実験が行われるのは、これが初めてです。
国立感染症研究所の西條政幸部長は「今回の実験は、この施設でないと実験ができないウイルスを扱うわけではない。今後もエボラウイルスなどのバイオセーフティレベル4の施設でしか扱えないウイルスを持ち込む際は、周辺住民の理解を得ながら進めていきたい」と話しています。