[PR]

 4月に広島である主要7カ国(G7)外相会合で議長を務める岸田文雄外相のインタビューの概要は以下の通り。

 ――外相会合ではベルギーで発生したテロや難民問題についてどう扱うか。

 テロ対策、暴力的過激主義対策、難民問題は会合で最も重要な課題の一つだ。過激主義を生み出さない寛容で安定した社会を作る中長期的な取り組みが重要だ。そのためにG7各国が強みのある対策を打ち出していく。日本の強みは人道的な支援と開発協力だ。

 ――アジアには北朝鮮の核実験や中国の海洋進出の問題がある。会合でどんなメッセージをまとめるか。

 8年ぶりにアジアでG7を開くので、首脳会議(伊勢志摩サミット)でもアジアの問題をしっかり取り上げたい。まずは北朝鮮問題だ。核実験や弾道ミサイル発射は国際社会共通の脅威。拉致問題も含め、諸懸案を包括的に解決するために国際社会としっかり連携したい。アジアの問題としては、海洋の安全保障、海における法の支配も、ぜひ関係国で確認したい。

 ――核を保有する米英仏の外相が被爆地広島を訪れる意義をどう考えるか。

 昨今、核兵器のない世界に向けての国際的な機運がしぼんでいると感じる。北朝鮮の核実験、ミサイル発射は不拡散体制に対する挑戦だ。こんな時期だからこそ、核兵器国と非核兵器国があるG7で、核兵器のない世界に向けて力強いメッセージを発していきたい。ぜひ独立した文書「広島宣言」を発表したい。

 ――広島の被爆者団体は、G7外相が平和記念公園を訪れ、被爆者の証言に耳を傾けることを望んでいる。実現の見通しは。

 日程は調整中だ。世界の指導者に被爆地を訪問してもらい、被爆の実相に触れてもらうことは、核兵器のない世界を目指す国際的機運を盛り上げる意味で大変重要だ。引き続き調整に努力する。

こんなニュースも