2009年『ちはやふる』末次由紀
2010年『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ
2011年『3月のライオン』羽海野チカ
2012年『銀の匙』荒川弘
2013年『海街diary』吉田秋生
2014年『乙嫁語り』森薫
2015年『かくかくしかじか』東村アキコ
現代マンガに求められる多様性
第二回以降、見事に女性作家の作品が並ぶ。そしてこの女性作家の台頭のなかに、近年のマンガにおける大きな趨勢が見て取れる。キーワードは"多様性"だ。
例えば2009年の受賞作、『ちはやふる』。舞台設定から見れば、"競技かるたマンガ"だ。だが、物語の展開やキャラクターの描かれ方は、「友情」「努力」「勝利」をテーマに掲げる少年誌のスポ根マンガのよう、と評されたりもする。その一方で、少女マンガの王道とも言えるほのかな恋模様(しかも三角関係)も描かれている。そのほかの受賞作、『3月のライオン』『海街diary』なども、一言で「××マンガ」とカテゴライズしづらい作品が多い。…