全日本プロレスの秋山準(46)が29日、メキシコでの3冠ヘビー級王座戦実現を誓った。5月下旬にルチャの総本山「アレナ・メヒコ」(メキシコ市)で行われる恒例の「ドラゴマニア」から初の出場オファーを受け、これを正式に受諾。まずは最後の出場と位置付ける春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」(4月9日、後楽園ホールで開幕)で“有終の美”を飾り、王者としてメヒコの地を踏む。
29日のドラディション東京・後楽園ホール大会に出場した秋山は青柳優馬(20)を従え、藤波辰爾(62)、ヒロ斎藤(54)組と対戦。約3年半ぶりの他団体マットで藤波と初遭遇すると「(故ジャンボ鶴田さんと)ダブりました」(藤波)というジャンピングニーを3度目で成功させた。自軍は敗戦したものの「元気だったね。俺もまだまだだなと思いますよ」と充実の汗をしたたらせた。
これを機に本格的に他団体にも進出する。これまで藤波をはじめとする大物ゲストを招くなどして「ドラゴマニア」をプロデュースするウルティモ・ドラゴン(49)が、今年は秋山に初オファーを出したのだ。「昨年のいろいろな騒動を外から見ていて、秋山さんも大変な思いをされたと感じた。日本のスタイルができるレジェンドを考えたらこんなに近くにいたし、慰安を兼ねてお願いしました」とその意図を説明した。
秋山はこれまでほとんど海外経験がなく、ノア時代に欧州やアジアなどで試合をしたことがある程度。最後の海外マッチは2008年6月の英国大会だったが「全日本が大変な時に力を貸してくれた方だし、断れないね。こんな俺でも呼んでくれるなら、行かせてもらいますよ」(秋山)と二つ返事で受けた。
もちろんその前には、最後の出場と決めたCCがある。「(ジャイアント)馬場さんが最後に出た(1982年の)CCで優勝しているんだよね。俺もそれを知って有終の美を飾るのもいいなって。優勝したら5月に3冠戦をやるだろ!? なら、メキシコに王者として行ける。一度も経験がなかったけど、海外でタイトルマッチっていうのは面白いよね」と目を輝かせた。
師匠の馬場さんは世界タイトル戦を海外でもこなし“世界の巨人”になった。「CCもドラゴマニアも点であるけど、これを一つの線にできたら」。46歳のあくなき挑戦が始まった。
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