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2016年03月31日 09時21分 UPDATE

鴻海、シャープ買収決定 足元見られぎりぎりの交渉 (1/2)

鴻海によるシャープ買収がようやく実現。主力2行は“海千山千”の鴻海の郭台銘会長に振り回され、ぎりぎりの譲歩を迫られた。

[産経新聞]
産経新聞

 鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープ買収がようやく実現する。シャープに代わって交渉を主導したのは主力取引銀行の三菱東京UFJ、みずほ両行だが、“海千山千”の鴻海の郭台銘会長に振り回され、ぎりぎりの譲歩を迫られた。鴻海が手を引けばシャープの存続は危うくなると見透かされ、買収額の大幅ダウンを受け入れざるを得なかった。

 「シャープをつぶして安値で買いたたくつもりか」

 3月中旬、主力行幹部の脳裏には最悪のシナリオがちらついた。

 鴻海は当初、4890億円の出資をシャープに提案したにもかかわらず、将来の負債となる恐れのある「偶発債務」を問題視し、出資を2000億円減らす提案をしてきたからだ。

 官民ファンドの産業革新機構が示した3000億円を下回るダンピング案。シャープと主力2行は、もちろん拒否したが、郭会長も「無理は承知」(金融関係者)だったようだ。

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