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戦没者遺骨の鑑定対象拡大へ 遺品なしでも照合、データベースも整備

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戦没者遺骨の鑑定対象拡大へ 遺品なしでも照合、データベースも整備

 厚生労働省は29日、第二次世界大戦の戦闘地域で収容した身元が分からない戦没者遺骨のDNA鑑定について、対象範囲を拡大する方針を決めた。遺骨発見場所近くで個人特定につながる遺品が見つかった場合に限っていた鑑定を、遺品がなくても実施する。

 また、鑑定によるDNA情報をデータベース(DB)化し、遺族の可能性がある人にDNAの提供を呼び掛ける。DB化は戦闘地域と旧ソ連による抑留地域を合わせ約8千人分になる見込み。同日、開かれたDNA鑑定の専門家でなる厚労省鑑定人会議で了承された。平成28年度から行う。

 厚労省は15年度から遺骨の鑑定を行ってきた。これまで1037人の身元が判明している。ただ、大半が旧ソ連地域での戦没者で、沖縄や硫黄島などの戦闘地域では遺品が見つかるケースが少なく、身元判明は11人にとどまっていた。

 厚労省は、既に検体(歯)が収容されている約8千人分の情報をDB化するほか、部隊記録が残る沖縄県の4地域で見つかった遺骨78人分の検体について、遺族調査を実施。口内粘膜の提供を受けてデータベースの情報と照合する。結果を踏まえ、他の地域にも広げるか検討する。

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