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隔離法廷、最高裁謝罪へ ハンセン病めぐる検証

朝日新聞デジタル 3月31日(木)11時53分配信

 かつてハンセン病患者の裁判を隔離された療養施設などの「特別法廷」で開いていた問題を検証している最高裁が、4月中に公表する報告書の中で、「深い反省の上に立つ」などと謝罪を盛り込む検討をしていることがわかった。裁判所が過去の司法手続きについて、誤りを認めるのはきわめて異例。近く裁判官15人で構成する裁判官会議で、報告書を決定する。

 ハンセン病患者への隔離政策に対しては、2001年の熊本地裁判決で「憲法違反だった」とする判決が確定。政府や国会は直後に謝罪し、検証を始めたが、裁判所は動かなかった。特別法廷の問題点は、国の検証会議が05年にまとめた報告書でも指摘されていた。

 最高裁が近くまとめる報告書では、ハンセン病を理由とする特別法廷は、最高裁の事務総局の判断で事実上一律に許可されていたことを認める見通し。「感染の恐れや患者の状況などを個別に考えて、より慎重に判断すべきだった」などとして、判断が不適切だったと認める方向という。

朝日新聞社

最終更新:3月31日(木)11時53分

朝日新聞デジタル