汚染水対策の「凍土壁」 本格運用始まる

汚染水対策の「凍土壁」 本格運用始まる
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東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける汚染水対策の柱として建設が進められた「凍土壁」について、31日午前11時20分ごろ、周囲の地盤を凍らせる設備のスイッチが入れられ、本格的な運用が始まりました。
「凍土壁」は、汚染水が増える原因となっている福島第一原発の建屋への地下水の流入を抑えるため周囲の地盤を凍らせて地下水をせき止めるもので、2年越しで建設が進められ、30日、原子力規制委員会が運用を認可しました。
これを受けて、東京電力は午前11時20分ごろ、地盤を凍らせる設備のスイッチを入れ、建屋の周囲に打ち込まれた「凍結管」と呼ばれるパイプにマイナス30度の液体が流れ始めたということです。
地下水の水位が下がりすぎて建屋内の汚染水が漏れ出すのを防ぐため、凍結作業は1700本ある凍結管のうち主に建屋の下流側の1000本に絞って行われ、その後、地下水の水位を見たうえで上流側を段階的に凍らせる計画です。
東京電力は、凍結開始から1か月半程度で効果が出始め、ことしの夏ごろにはほかの対策とも合わせて建屋への地下水の流入量が当初の1日400トンから90トンに減り、完成すればさらに50トン程度に抑えられるとしています。ただし、すべての場所で凍結を進めるためには原子力規制委員会の別の認可が必要になるため、完成する時期の見通しは立っていません。