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 戦後日本を代表する知識人・評論家で、2008年に89歳で亡くなった加藤周一さんの膨大な蔵書やノートなどを収めた「加藤周一文庫」が4月1日、立命館大衣笠キャンパス(京都市北区)にできる。和漢洋にわたる深い教養をもとに政治や社会、文化を縦横に論じた「知の巨人」の思想に迫る拠点となりそうだ。

 開設されるのは、新規開館する平井嘉一郎(かいちろう)記念図書館2階。加藤さんが客員教授や国際平和ミュージアム初代館長を務めた縁で、散逸防止と一般公開を望む遺族から11年に寄贈された。

 開架書棚に、朝日新聞に1984~08年に連載した「夕陽妄語(せきようもうご)」などの自著や蔵書が約1万2千冊並べられ、愛用の机や書棚も展示。閉架書庫には、書き込みのある蔵書や貴重書約8千冊や、1千を超すファイルにまとめられたルーズリーフノート、来信、資料類などを収蔵する。「夕陽妄語」の自筆原稿もあり、いずれ公開予定という。