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子宮頸がんワクチン 高校生ら国など提訴へ

日本テレビ系(NNN) 3月31日(木)0時16分配信

 体の強い痛みなどを訴える女子高校生たち。症状が出たのは、子宮頸(けい)がんを予防するワクチンを接種したあとだった。30日、女子高生たちは、ワクチンの接種を勧めた国などを相手取り、損害賠償を求める裁判を起こすことを明らかにした。

 ■望みは「普通の学校に通うこと」

 30日午後、会見に臨んだ10代~20代の女性たち。

 谷口結衣さん(仮名・17)「私が今一番望んでいることは『普通の学校に通うこと』です。けれど今の私にはできません。朝起きて、目が見えなくなっているんです。体が起き上がれなくなっているんです。手が動かなくなるんです、歩けなくなるんです」

 子宮頸がんワクチンの薬害を訴える奈良県の17歳、高校2年生の谷口結衣さん。弱い光でもまぶしく感じる症状などに悩まされ、サングラスなしでは生活できないという。他の女性たちも、めまいや体の痛みなどに悩まされていた。こうした症状が現れたのは、子宮頸がんワクチンを接種したあとだった。

 ■“副反応”相次ぐ…定期接種2か月で中断

 年間およそ3000人が子宮頸がんで亡くなる。だが、ワクチンで予防できるとされているため、国は3年前から、女子中高生らに無料の定期接種を始めた。これまでに10代の若い女性を中心に、およそ338万人が接種している。だが、2か月後に中断。体の痛みなど“副反応”を訴える人が相次いだのだ。その数は、2500人以上にのぼった。

 ■接種原因か…失われた“当たり前”

 谷口さんがワクチンを接種したのは中学1年生のとき。だが、接種から3年以上たった高校1年生の頃。母親の呼びかけにも、うなずくだけで、目はうつろな状態に。歩けなくなったり、過去のことが思い出せなくなったりなど、重い症状が現れるようになったのだ。谷口さんは今も歩くときにはつえ、そしてサングラスが欠かせないという。

 谷口結衣さん「普通にご飯食べて、普通にちゃんと歩いて、友達と学校へ行って、学校で勉強をして帰って。そんなのがみんなにとっては当たり前だと思うんですけど、私たちにとっては当たり前がないんですよ。全くないんで、当たり前に朝起きるとか、そんなんできないんで」

 ■ワクチンと副反応との関係はあるのか

 厚労省の調査によると、接種した338万人のうち、副反応が出てその後も回復していない人は186人。そのため厚労省は、「重い副反応は非常にまれで、ワクチンの成分が原因ではない。注射の痛みなどがきっかけで、思春期の女性の不安や緊張が体の痛みなどとして現れる『心身の反応』と見られる」と結論付けた。

 ■国など相手取り提訴へ

 だが、接種が原因で副反応が現れたと考える女性12人は、国や製薬会社を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こすことにしたのだ。

 谷口結衣さん「子宮頸がんワクチンの被害の裁判を起こすことになったと聞いて、私も参加したいと思いました。私のように苦しんでいる人がたくさんいるということを、知ってほしかったからです」

 厚労省は「コメントを差し控える」、製薬会社は「根拠はないと信じています」とそれぞれコメントしている。

最終更新:3月31日(木)10時6分

日テレNEWS24