ソフトバンクが優勝した。まさに圧勝。現時点で86勝。のこり16試合もあるから、95勝くらいしそうな勢いだ。
過去のチームの勝利数ランキング。

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勝数もさることながら、今年のソフトバンクの勝率.691もすごい。1955年以来の勝率7割の可能性もあるだろう。

少し前までは、戦力格差のあるセ・リーグと、戦力均衡が進むパ・リーグという図式があったが、今年になってそれは逆転した。
セ・リーグは団子レースが続くが、パ・リーグは早々と大勢が決し、今や3位争いが最大の見どころになっている。

ベースボール・チャンネルにも書いたが、ここまでの圧勝は、単なる戦力補強や指導力、試合の采配によるものではない。
何度も紹介している通り、ソフトバンクは、ファーム・システムを整備し、選手を本当に育成している。だから主力級がつぶれてもあとから良い選手が出てくる。代わりの選手がたくさんいる。
その上に、ソフトバンクは必要とあらばストーブリーグで大物も補強する。李大浩、サファテ、五十嵐亮太。彼らを見事に生かしている。

ソフトバンクのフロントは、常に数年先、さらにその先を見据えて打つべき手を打っている。潤沢な資金が背景にあるのは事実だが、企業としてやるべきこと=経営を行っているのだ。

他の大部分の球団は、極端に言えば何もしていない。オフはトレードや移籍などで選手を入れ替えて見せるが、トータルで年俸総額が減っていることが多い。そうとは見えない形でリストラをしているのだ。
その癖、実績のあるベテランをなかなか切ることができない。明らかにピークを過ぎた選手を高額で抱え込み、使わないのがもったいないという理由だけでレギュラーに置いておく。若手の機会を奪い腐らせる。
例に出して申し訳ないが、阪神は鳥谷敬の連続出場をいつまで続けさせるのか。守備範囲は限界に近いところまで狭くなっている。後釜の選手を作らず、競争もさせないから、鳥谷は遊撃に安住している。
さらにひどかったのが中日だ。今年、一斉にベテラン選手を引退させているが、そのあとに一体どんな若手が育っているというのか。ベテランを居座らせた付けが一気に回りそうな気がする。

ソフトバンクは確かに12球団一の金持ち球団である。孫オーナーはMLB球団の買収さえ視野に入れているという。
しかし、この金持ちは賢い金持ちだ。金を「選手育成」に投下している。これも何度も触れたが、ソフトバンクは、ファーム・システムに力を注ぐことで、他球団とは異質のチームを作り上げたのだ。

金がない他球団は、巨人やソフトバンクのように大物選手を引き抜いたり、凄い外国人を何人も取ってくるのではなく、ファームを整備すべきだ。
50人もの二軍選手がろくに試合に出ることもなくごろごろしている現状を改めて、三軍を整備し、試合数を増やして、ファームに競争環境を作ることだ。
これも前に述べたが、独立リーグのファーム化が最も手っ取り早い方策だと思う。

繰り返すが、経営とは「将来を見通して手を打つこと」だ。
各球団に経営者がいるのなら、ファーム・システムの整備に着手すべきだ。


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