人間中心デザインとその重要性

より多くのサイト訪問者の関心を引き付けるために新たな手法を模索している方には、人間中心デザインという考え方が大きなヒントになるはずです。

人間中心デザインは、クリエイティブなアプローチで問題を解決に導く手法です。IDEO や Stanford Design School といった先進的な組織が広めた考え方で、新製品の設計に広く取り入れられています。

人間中心デザインは、デザイナー以外の方でも取り入れることができ、サイト運営者様がユーザーのニーズを把握し、それに合わせて新しいコンテンツを作成する上でも役立ちます。ぜひ、お試しください。

人間中心デザインを取り入れる際のポイントは以下のとおりです。

1. 共感: 観察し、関わり、ユーザーの立場に立って考える

まずユーザーの行動を調査し、その行動をとった理由について考えます。
  • 数名のユーザーに接触し、コンテンツとどのように関わっているのかを観察しましょう。
  • 次にユーザーとのコミュニケーションをとります。コンテンツを読んだり視聴したりしたユーザーにその理由を尋ね、ニーズを明らかにしましょう。
  • ユーザーの立場に立って体験を分析します。ユーザーの行動の根底にある感情を解き明かしましょう。ここで大事なのは、新しいコンテンツの対象となるユーザーを特定することです。
たとえばミレニアル世代をターゲットとしているブログならば、ユーザーにインタビューを行います。その結果、専門職に就いている若い女性がこのブログに高い関心を持ち、その数は現時点では少ないものの増加傾向にある、とわかったのであれば、このユーザー層を新コンテンツのターゲットに設定します。

2. 定義: 焦点を絞って明文化する

ターゲットとするユーザーが何を求めているのかを考えます。ユーザーから意見を聞いて学んだことを基にして、次の例のように問題を明文化してみましょう。

「専門職に就いている若い女性は、管理職に就きたいと考えているため、キャリアアップに関する情報を求めている。」

上の例のように明文化することで、次のようなメリットが得られます。
  • ターゲットとするユーザー層が明確になる
  • 具体的なニーズに応えられる
  • 対策を講じる際の指針になる


3. アイデアの具体化: 吟味する

できるだけ多くのアイデアを吟味します。その際のポイントは以下のとおりです。
  • 多くの選択肢を吟味。さまざまな種類のアイデアをできるだけ多く吟味します。
  • 肯定的に。肯定的に捉えながら、それぞれのアイデアを土台として生かします。
  • 忍耐強く。アイデアを吟味する際は、却下したり批評したりするのは避け、判断は後回しにします。
誘導的な質問を投げかけます。たとえば、以下のようなポイントについて考えます。
  1. 専門職に就いている若い女性に、手本になるような人物を紹介する方法はとは
  2. 専門職に就いている若い女性が上司と良好な関係を築くための戦略を提示する方法とは
  3. 職場での女性に対する偏見に対処する方法とは
4. 試作: 試作版を作成する

これでコンテンツ作成の準備は完了です。最も優れたアイデアを選び、できるだけ多くの試作コンテンツを用意します。例として次のようなコンテンツが挙げられます。
  • メモの投稿
  • ロール プレイング
  • ストーリーボード
  • オブジェクト

すべての試作コンテンツをテストし、ユーザーの反応を確かめます。前述のブログの場合は以下のようになります。

女性リーダーへのインタビュー動画を作成し、その話の内容を文字に起こしたものと合わせてブログに掲載します。

女性リーダーが集まる会合に足を運び、取材メモを投稿します。

データを提示し、先進的な企業による問題への対処方法や、中小企業が参考にできそうなものを示します。

Google ハングアウトを主催し、ゲスト スピーカーとの対話にユーザーを招待します。

5. テスト: テストして最適化する

ターゲット ユーザーに視点を戻します。試作コンテンツをテストしたら、再度ユーザーの観察と共感に努め、ユーザーになりきって体験を分析します。意見や感想を募ってユーザーの声に耳を傾け、得た情報を参考にして試作コンテンツを最適化していきます。必要に応じてこの最適化プロセスを繰り返しましょう。

このクリエイティブな問題解決手法は、忍耐強く取り組む必要がありますが、この手法を取り入れることでユーザーのニーズを土台にでき、より効果的なアイデアを生み出すことができます。ユーザーに対する理解が深まるほど、より効果的にニーズを予測してコンテンツ戦略を最適化し、関心を引き付けられるようになります。

この新しい考え方が、新たにコンテンツをデザインする際の参考になれば幸いです。人間中心デザインに関するご意見、ご感想は、下記のコメント欄にご記入ください。


Posted by Michael Le, Strategic Partner Manager
2016 年 3 月 31 日