【シリコンバレー=小川義也】米マイクロソフトは30日、昨年7月に提供を開始した基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」を今夏に刷新すると発表した。人工知能(AI)を活用した音声入力やペン入力の機能を拡充するほか、安全性も高める。同社によると、ウィンドウズ10を搭載した端末は世界で2億7000万台を突破した。3年以内に10億台という目標の達成に向け、使い勝手や機能を向上させる。
サンフランシスコ市内で同日開幕したソフトウエア開発者向けの年次会議「ビルド」で、テリー・マイヤーソン上級副社長が明らかにした。
「ウィンドウズ10」の新機能は「アニバーサリー・アップデート」として、既存の利用者に無償で提供する。コンピューターに話しかけて検索やスケジュール管理などができる対話型のデジタル秘書機能「コルタナ」は、パソコンやスマートフォンがロックされている状態でも話しかけたり、通知を受け取ったりできるようにする。
ペン型の入力端末をより使いやすくする「ウィンドウズ・インク」と呼ぶ新機能も盛り込む。OSに同機能を組み込むことで、ペン入力に対応したアプリやサービスを開発しやすくなるという。
指紋や目の虹彩による生体認証機能「ウィンドウズ・ハロー」は、端末のロックを解除したり、OSにログインしたりできるだけでなく、対応するウェブサイトの認証にも使えるようにする。