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【政治】

指定管理簿の記述に工夫を 特定秘密で衆参審査会が初の報告書

 特定秘密の運用状況をチェックする衆参両院の情報監視審査会は三十日、政府が二〇一四年に指定した特定秘密の運用に関する調査結果の報告書を議決し、両院議長に提出した。衆院審査会の報告書は政府に対し「立法府への説明責任の履行について、一層の改善を強く求める」と明記。特定秘密の概要を列記した「特定秘密指定管理簿」などの記述内容を具体化することなど、計六項目の改善意見を付けた。 (清水俊介)

 一五年三月に発足した両審査会が報告書を提出するのは初めて。審査会は必要に応じて、政府に運用の改善を指摘し、対応の報告を求める「勧告」を行える。今回は両院とも勧告は見送り、報告がいらない「意見」として改善を求めた。強制力はなく、政府側が改善に応じない可能性もある。

 衆院の報告書は、指定管理簿の記述が抽象的だと、どのような内容の文書が特定秘密に含まれているか判断できず、秘密の指定が適正かどうかの審査ができないとして、記述の内容を具体化するための政府統一方針を策定するよう求めた。政府内部のチェック機関である内閣府独立公文書管理監が審査会に定期的に報告することも盛り込んだ。

 今後の課題として、審査会の活動に対する有識者からの意見聴取や、国家安全保障会議(NSC)の議論の情報開示のあり方の検討などを挙げている。

 参院は、指定管理簿などの関連文書の記述内容について、審査会の指摘に応じて政府側が計五件の修正を行ったことを報告。衆院と同様、指定管理簿などの記述を工夫するよう求めた。

 報告書は衆参両院のホームページで公開する。

◆審査会報告書ポイント

 一、「特定秘密指定管理簿」は具体的な記述に改めるよう、政府に統一方針の策定を要請。

 一、国家安全保障会議(NSC)の情報開示を検討する必要性を指摘。

 一、保存期間満了前に秘密を破棄する時は独立公文書管理監がチェックし、管理監による審査会への定期報告の制度化を検討。(以上、衆院)

 一、審査会が秘密指定に疑義があると判断した場合、政府に必要な資料提供を要求。(参院)

 

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