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自衛隊員の自殺増でパソナが儲かる“戦争法案”の利権構造

 防衛省共済組合との契約額は年間約5000万円程度。民間調査会社によると、この間、セ社の売上高は約3億円前後で推移しており、自衛隊員のメンタルケア事業は大きなウエートを占めている。

 従業員12人というセ社にとって、社長のかつての職場は上のつくお得意サマだろう。

 セ社は自衛隊の幹部OBの再就職の受け皿となってもいる。受注開始の04年に調達実施本部に勤務経験のある空将補を皮切りに、11年には海上幕僚監部総括副監察官だった海将補を、12年には陸自中央会計隊副隊長だった陸将補を、13年には航空教育隊の空将補を、いずれも部長職で迎え入れているのだ。

 海自OBの経営会社が古巣の業務を一手に請け負い、防衛省は幹部の再就職先を確保する。この「もたれ合い」関係が新安保法制で深まるのは必至だ。戦地派遣で“心の傷”を負う隊員が増えれば、防衛省のメンタルケア事業も増額される。積み上がった“自殺利権”をセ社が手にするのは、ほぼ約束されたようなものではないのか。

 産業競争力会議などのメンバーとして、安倍政権の成長戦略の作成に関わる竹中氏は、安保法制のウラでパソナのグループ企業が潤う構図を承知しているのだろうか。安倍政権の中枢には文字通り「死の商人」が、まるで巣くっているかのようにも見えるのだ。

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