もしも彼氏のお母さんと自分の父親が×××していたら……。90年代に連載されていた衝撃の設定の少女漫画を、あなたは覚えているだろうか? そしてさらにモラルを超越したその続編が存在していた…!

杉田 千種2016年03月31日 印刷向け表示
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ママレード・ボーイ little 1 (マーガレットコミックス)
作者:吉住 渉
出版社:集英社
発売日:2013-11-25
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 まさにこのタイトル通りのシチュエーションの漫画が、それも90年代前半、当時トップを走り続けていた少女漫画誌・りぼんで連載されていたことをご存じでしょうか? 一方、タイトルだけで、「アレだ!…」とわかったそこのあなた、ぜひ私とそのへんのワインバーで一杯やりながら、りぼん談義をしてください!

 
ある日、主人公は両親から、いきなり、自分たちは早々に離婚し、ハワイ旅行で出会ったある夫婦と、お互いパートナーを交換して再婚することを決めた、と告げられます。どちらとも離れたくないと泣き叫ぶ主人公に、あっさりと、「みんなで同居する」と言い放つ両親、さらに、両親がパートナーを交換することになった夫婦には、自分と同い年のかなりかっこいい息子がおり…
 
りぼんラブコメの金字塔・吉住渉先生の「ママレード・ボーイ」の冒頭は、こんなスキャンダラスな展開から幕を開けます。
 

東京のイケてる高校生を描いた<トレンディ・少女まんが>

 
パートナーを入れ替えた両親と、相手方夫婦の息子と同居…気が狂いそうなシチュエーションにもかかわらず、明るく都会的な高校生活を送る主人公・光希ちゃんに、当時の小学生たちは、憧れのまなざしを注いだものでした。格好いい彼氏がいて、イケてる幼馴染がいて、親友は美人で、部活(※テニス部)もこなしながら、時々はおしゃれなカフェに寄り道、バイトは制服のかわいいアイスクリーム屋さんでこなす光希ちゃん。
 
トレンディドラマなんて言葉の意味をよく知らなかった私たちは、高校生になったら、みんながみんなあんなイケてる高校生活を送れると信じて疑わなかったものです…して数年後に自分に訪れた現実は……。悲しすぎてここには書くまい。
 
そんな、かつて光希ちゃんに憧れ、しかし結果として脛に傷を持ってしまった乙女にこそ読んでいただきたい漫画があるのです。2013年より連載中の『ママレード・ボーイ』の続編『ママレード・ボーイ・リトル』でございます!!
 
(吉住渉『ママレード・ボーイ little』1巻より)  
 
 
 
本作の主人公は、光希の異父妹であり遊の異母妹である松浦立夏。そして立夏に思いを寄せるのが光希の異母弟であり遊の異父弟である小石川朔、ということで、更に込み入った家族関係になっております。
 

かつての登場人物がアラサーに! りぼんっ子が夢中になる仕掛け

 
あのころ夢中であこがれた桐稜学園。初々しい中学生の恋愛がメインストーリーながら、絶妙に私たちを取り込んでくるサブキャラたちのエピソード構成が、本作の隠れた読みどころです。
 
長く同棲して結婚のきっかけを失ったカップル、結婚して間もない夫婦の別居、仕事をする女性の子供を産むタイミング……
 
元祖『ママレード・ボーイ』で渦の中心にいた人々が、今度は物語の外郭で繰り広げるエピソードの数々。それには、あのころりぼんっ子だった私たちが、アラサーになった今、等身大で共感できる要素がてんこ盛りなのです。
 
 ※どのカップルがどの問題に直面しているかは、本編でお楽しみください。
 
中学生の甘酸っぱい恋愛と、生々しいけれど、すでに自分たちが目を背けられなくなっている結婚にまつわるあれこれ。この2つが絶妙に絡み合う『ママレード・ボーイ・リトル』は、アラサー女子必読の書といっていいでしょう!
 
ママレード・ボーイ 全5巻セット (集英社文庫―コミック版)
作者:吉住 渉
出版社:集英社
発売日:2013-03-05
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↑元祖『ママレード・ボーイ』も、もちろんおすすめですっ。

 

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作者:
出版社:中央公論新社
発売日:2014-10-24
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