生後10ヶ月の赤ちゃんは、つたい歩きで移動し、手先を器用に使って遊ぶようになります。
心の発達も進み、後追い、人見知り(パパ見知り)、かんしゃくなどで自分の意思を表現します。
パパママのマネをして、拍手やバイバイをできるようになりますし、話しかけると喃語で返事もしてくれます。
できることが増えてくる分、危険なことをさせないための対応も必要になっていきます。
このページでは、生後10ヶ月の赤ちゃんの成長、知育の方法、おすすめの知育玩具について紹介します。
生後10ヶ月の赤ちゃんの成長
日中はしっかり遊び、夜はぐっすり寝るという生活リズムが整い、お昼寝も、午前中と午後の決まった時間に1回ずつになります。
生後10ヶ月になると、赤ちゃんは、ハイハイで素早くあちこちを動き回り、掴まれそうな場所を見つけるとつかまり立ちして、つたい歩きを始めます。
興味の範囲も平面から高いところまで広がり、自分の背より高いところにある物でも、手を伸ばして取ろうとします。
全身の筋肉をしっかり使うので、体つきはぽっちゃりした赤ちゃん(乳児)体型から、シュッとした幼児体型に変化していきます。
パパママの動きをよく見てマネしたり、喃語で上手に会話ごっこしたりできるようになるのもこの時期です。
記憶力も向上し、「いないいないばあ」で長い時間顔を隠していても、しっかり覚えておけるようになります。
生後10ヶ月の赤ちゃんの身長・体重
・男の子
身長:68.4cm~77.4cm
体重:7,340g~10,590g
・女の子
身長:66.5cm~75.6cm
体重:6,860g~10,060g
離乳食の量は生後9ヶ月頃とあまり変わらない一方で、運動量はどんどん増えていくので、身体を動かすのにエネルギーを消費して体重増加が少なくなる傾向があります。
赤ちゃんが元気で、食欲や動きに問題がなければ、体重の伸びが少なくても心配はいりません。
体重が減少する場合は、病気の可能性を考えて小児科に相談してみましょう。
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生後10ヶ月の赤ちゃんの身体
- 目:視力は約0.2です。両目の焦点を合わせて人の表情や動きを認識し、マネや後追いをします。
- 鼻:嗅覚は大人と同じレベルまで発達しています。
- 耳:パパママの口の動きと声を見聞きして、マネをして声を発するようになります。例えば、「ママ」、「マンマ」など、聞こえた声をおうむ返しします。
- 口:味覚は大人と同じくらいまで発達しています。生後10ヶ月でも、赤ちゃんは、気になる物をとりあえず口に入れて、大きさや形などを確認しようとします。
- 首: 首すわりは完成しています。
- 手:指をさす、紙を破く、物を投げる、拍手、バイバイなど、多彩なアクションが可能になります。腕の筋肉がつくと、重い物を押し倒したり引っ張ったりできるようになります。
- 足:つかまり立ちやつたい歩きを続けるうちに、一人歩きに必要な筋肉がついていきます。
- 表情:パパママや身近な人の表情をじっくり観察して、色々な表情をマネしようとします。マネをする過程で「変顔」をたくさん見せてくれるのも、この時期の楽しみの一つです。
- 運動機能:立った状態で動いたり遊んだりできるようになり、バランス感覚も向上します。身体全体を駆使して階段やソファによじ登れるようになる赤ちゃんもいます。
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生後10ヶ月の赤ちゃんの知育
知育は、赤ちゃんが自発的に楽しみながら取り組むことが大切です。
赤ちゃんが楽しむことで脳に良質な刺激が送られ、脳の発達がグンと促されるからです。
「楽しむ」ことの大切さは、月齢を経るにつれて増していくもので、当然、生後10ヶ月頃の赤ちゃんにもあてはまります。
赤ちゃんが色々なことができるようになっている分、親としては、あれもこれも経験させたいと思うかもしれません。
色々試してみるのは悪いことではありませんが、赤ちゃんが興味を示したことを第一に尊重し、自由に取り組ませてあげる意識は常に持っておきましょう。
ただし、赤ちゃんが危険なことや間違ったことをしたら、しっかり正してください。
特に、身体の動かし方については、間違った方法を覚えてしまうと後々の成長に悪影響が及ぶので、最初から正しい方法をしっかり身につけさせることが重要です。
また、立てるようになると、転倒によるケガが急増するので、安全面への配慮はより大切になります。
生後10ヶ月頃におすすめの知育は、次のとおりです。
- ノーゴー行動(反応)を教える
- 降りる練習をさせる(よじ登りを覚えた後)
- いないいないばあ、おもちゃはどっち?、おもちゃはどこ?で遊ぶ
- 会話ごっこする
- 赤ちゃんが興味を持った物の名前を教える
- 手遊びさせる
- 赤ちゃんの成長と発達に応じた知育玩具で遊ばせる
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おすすめの知育玩具
生後10ヶ月の赤ちゃんにおすすめの知育玩具は、ラッパのおもちゃ、オーボール、布絵本、積み木(ニキーチンの積み木)、鏡、プラステン、ペグさしです。
ねじり棒やブロックで遊ぶ赤ちゃんも増えてくるので、折を見て渡してあげましょう。
ただし、赤ちゃんが興味を示さない場合は、まだ早いのだと考えて、他のおもちゃを渡してあげます。
くれぐれも「生後10ヶ月なんだから、このおもちゃで遊べるはずだ。」と考えて、赤ちゃんに知育玩具を押し付けないようにしてください。
赤ちゃんがストレスを感じ、渡そうとした知育玩具を嫌いになってしまいます。
ラッパのおもちゃ
ラッパのおもちゃは、息の吐き方を覚えさせるのに効果的なおもちゃです。
多くの赤ちゃんはラの音が大好きなので、パパママがラの音を出してやり、赤ちゃんが自発的にラッパを吹くのを促してあげましょう。
生後10ヶ月では、まだ上手に音は出せませんが、遊びながら練習を重ねるうちに音が出せるようになり、息の吐き方も上手になります。
オーボール
オーボールとは、投げたり、転がしたり、グニャグニャに折り曲げたりと自由に遊べるポリウレタン製のボールです。
低月齢の頃から長く使える知育玩具の定番です。
生後10ヶ月の赤ちゃんには、キャッチボールしたり、高いところに置いて取らせたり、転がして追いかけさせたりして遊ぶのが効果的です。
布絵本
布絵本とは、カラフルな絵柄や仕掛けが楽しい布製の絵本です。
生後10ヶ月頃の赤ちゃんは、絵柄を指さすようになるので、名前や色を教えてあげましょう。
また、絵本をめくる練習をさせると、手先の器用さが鍛えられていきます。
ページごとに手触りの違う布でできた布絵本なら、触覚を刺激することもできます。
積み木
積み木とは、名前のとおり積んで遊ぶおもちゃです。
生後10か月には、パパママの動きをマネして、積み木を積もうとする赤ちゃんが増えてきます。
積み上げるのはまだ難しいものですが、繰り返し練習するうちに上手になっていきます。
赤ちゃんが積むのに成功したら、たくさん褒めてあげましょう。
赤ちゃんは、褒められることでやる気を出し、さらに練習を重ねてメキメキ上達します。
ニキーチンの積み木
ニキーチンの積み木とは、ロシアの教育学者ボリス・パーブロヴィチ・ニキーチンが発明した積み木です。
積木の表面が色分けされており、並べる、積む、崩すだけでなく、色あわせや模様作りも楽しめます。
赤ちゃんに自由に遊ばせてあげるのが原則ですが、赤ちゃんが慣れてきたら、マニュアルを見ながら知育を実践してみても良いでしょう。
鏡
生後10ヶ月頃には、ほとんどの赤ちゃんが自分と他人を区別できるようになっているので、次の方法で確認してみましょう。
- 赤ちゃんのほっぺにシールを貼る(口紅などをつけても良い)
- 鏡の前に赤ちゃんを連れていき、反応を見る
赤ちゃんが、鏡を見て自分のほっぺに触ろうとすれば、鏡に映るのが自分だと認識できている証です。
なお、赤ちゃんを鏡の前に立たせると、鏡に映る自分を見ながら手足を動かしたり、鏡越しに手を振ったりします。
プラステン
プラステンとは、5本の棒が立った土台と、ドーナツ型の5色のリングがセットになった木製のおもちゃです。
棒にリングをさしたり、色ごとに並べたり、棒にさす順番を変えて模様を作ったりと、赤ちゃんの想像力で無限の遊び方ができる知育玩具です。
生後10ヶ月の赤ちゃんは、リングを投げたり、棒にさしたりして遊びます。
ペグさし
ペグさしとは、ペグを穴にさして遊ぶおもちゃです。
ペグの太さや形が異なる商品がたくさん販売されています。
ペグを穴にさすためには、指でペグをつまみ、ペグに合う穴を探して、ペグをさしこむというスキルが必要なので、遊ぶうちに目と手の連動性や手先の器用さが向上します。
生後10ヶ月頃には、上手にペグさしで遊べる赤ちゃんが出てきます。
ただし、誤飲のリスクは高いので、遊ばせる時はそばで見守ってあげましょう。
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