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【子宮頸がんワクチン】
接種後に全身痛み…10代女性ら 国と製薬会社を提訴へ
接種後に全身の痛みなどの症状が報告されている子宮頸(けい)がん(HPV)ワクチンについて、副反応被害を訴える17~21歳の女性4人が30日、都内で会見し、国と製薬企業2社に損害賠償を求める訴訟を起こすことを明らかにした。HPVワクチンをめぐる訴訟は初めて。
同日、結成された全国弁護団によると、原告に加わる意向を示しているのは30日時点で4人を含む計12人。原告を募り6月にも東京、大阪、名古屋、福岡各地裁に提訴する方針。
国は平成25年6月から接種を積極的に勧めていないが、裁判の行方は積極勧奨を再開する判断にも影響を与える可能性がある。
HPVワクチンは国の承認を受けた21年12月、国内での販売を開始。22年に国の補助事業が開始され、多くの自治体で無料接種が受けられるようになった。25年4月から定期接種としたが、6月に積極勧奨を中止している。26年11月までに約338万人が接種。厚生労働省はこのうち健康被害報告のあった2584人を追跡調査し、昨年2月時点で未回復の患者が186人いたとしている。
弁護団の水口真寿美共同代表は会見で、副反応被害を「薬害」とし、「国がワクチンを承認した経緯や公費助成、定期接種、接種時の説明など、それぞれ問題があった」と指摘した。具体的な損害賠償請求額などは今後、精査する。