衆参両院の情報監視審査会が初の報告書提出

衆参両院の情報監視審査会が初の報告書提出
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政府による特定秘密保護法の運用を監視する、衆・参両院の「情報監視審査会」は、初めての報告書を両院の議長にそれぞれ提出しました。このうち衆議院の報告書は、国会への説明責任を果たすため運用の一層の改善を図るよう政府に強く求めています。
特に秘匿が必要な安全保障に関する情報を特定秘密に指定して保護する「特定秘密保護法」の政府による運用を監視するため、衆・参両院は、それぞれ「情報監視審査会」を設置しています。
衆・参両院の審査会は、おととし12月の法律の施行後、ことし1月末までの調査結果などを初めて報告書としてまとめ、30日、両院の議長にそれぞれ提出しました。
このうち衆議院の報告書は「特定秘密の秘匿の必要性は理解しつつも、政府は立法府に対する説明責任の履行について、一層の改善を図ることを強く求める」として、具体的な改善点などを政府への「意見」として示しています。
それによりますと、特定秘密の文書名や概要をリストにした「管理簿」について、「文書名があいまいで審査会の調査が極めて困難だった」として、外国や関係機関などに影響を及ぼさない範囲内で、内容が推測できる文書名で管理するよう求めています。
また、「特定秘密の指定期間と、特定秘密が含まれる文書の保存期間が異なるケースがあり、不適切な廃棄につながるおそれがある」として、期間を原則として統一するとともに、政府内で文書の廃棄をチェックする仕組みを設けるべきだとしています。
さらに、NSC=国家安全保障会議の4大臣会合の概要について、今後、審査会に情報を開示するよう求めることを検討するとしています。

官房長官「内容精査し誠実に対応したい」

菅官房長官は午後の記者会見で、「政府として報告書の内容を精査したうえで、趣旨を十分に踏まえて必要な対応を検討したい。審査会の調査に誠実に対応していきたい」と述べました。